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- ID:
- 50573
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0527
- >見出し:
- 国内最古(11世紀中頃)猫形操り人形
- >新聞・サイト名:
- 読売新聞
- >元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news/20110526-OYT8T01062.htm
- >写真・動画など:
- 【写真】
- >記事内容
- 岡山大は26日、同大埋蔵文化財調査研究センターの山本悦世教授らのグループが、岡山市北区の「鹿田遺跡」で、日本最古とみられる11世紀中頃(平安時代後半)の猫形操り人形を発見したと発表した。人形は古代、中世の芸能民である傀儡(くぐつ)が使用していた可能性が高く、山本教授は「この時
期の中国地方に、すでに芸能民を受け入れる文化的な高さがあったことがうかがえる」としている。
人形は猫の頭部のみで、幅6・4センチ、奥行き6・3センチ、高さ4・5センチのこぶしくらいの大きさ。2007年10月16日~11月1日の発掘調査で、平安時代の井戸から同センターの光本順助教が見つけた。ウツギの仲間とみられる木のこぶに、目、鼻、耳が彫られている。直径約8ミリの穴も2か所に開い
ており、棒を挿し、布で観客から見えないようにして操っていたらしい。
操り人形に詳しい愛知県の専門家に鑑定を依頼。これまでに神奈川県鎌倉市の円覚寺門前遺跡から見つかった14世紀後半の猫形の操り人形に似ていることから、同様の人形と判断した。動物形の操り人形としては、同じ鹿田遺跡で14世紀前半の猿形のものが見つかっている。
傀儡は、交通の要衝を拠点に移動しながら、操り人形などの芸能を行っていたといい、文献で8世紀末から存在が確認されているという。鹿田遺跡は、同大鹿田キャンパス内にあり、藤原摂関家の荘園跡とされる。
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