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- ID:
- 50006
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0315
- 見出し:
- 弥生の木棺箱群
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001103140005
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 岐阜県大垣市の荒尾南遺跡(同市荒尾町・桧町)の発掘調査を進めていた県文化財保護センターは、弥生時代の木棺墓(もっ・かん・ぼ)群を発見した、と発表した。県内では初、東海3県でも2例目の貴重な出土資料だという。
木棺墓群は、縄文時代後期から古墳時代前期まで流れていた川の縁で見つかった。いずれも「組み合わせ式箱形木棺」で、底板、側板、両端の小口板がそろっているのが2基、小口板のみが1基、小口板の痕跡が残っていたものが6基の計9基が確認された。
このうち、ふた板を除いてほぼ原形をとどめている木棺は、長さ146センチ、幅41センチと、長さ156センチ、幅43センチの2種類で、板の厚さは3センチほどに一定している。
木棺の中からは、管玉(くだ・だま)3個、土器片のほか、紀元前から使用されていたとされる赤色顔料の朱が少量見つかった。土器の年代や地層の状況から弥生時代中期以前に造成されたと見られるという。
人骨は見つかっておらず、被葬者の性別はわからないが、日本考古学協会員の藤井整さんは「埋葬の際に被葬者にかけられた朱は、集落の中でも中心的な人物に使用される傾向があり、管玉を副葬する墓も極めて少ないことから、当時の社会構造を知るうえで重要な手がかりとなる」とコメントしている。
県内では、古墳時代前期の木棺は大垣市曽根町の曽根八千町(そ・ね・は・せん・まち)遺跡(1993年度調査)で見つかっているが、今回の木棺が埋葬された時期はそれより300年以上さかのぼると見られるという。
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