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- ID:
- 49863
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0301
- 見出し:
- 人生二毛作/こにふぁくらぶ会長 津久井進さん
- 新聞・サイト名:
- 四国新聞
- 元URL:
- http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/culture/article.aspx?id=20110228000111
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 「コニファー(conifer)」は、英語で針葉樹のこと。「こにふぁくらぶ」とは、手入れの遅れている針葉樹のスギ、ヒノキなどの人工林の枝打ちや間伐などをして健全な林に育てていこうとするNPO法人のボランティアグループである。山の樹木の維持、管理に困っている人の“お助けマン”であり、森づくりの“助っ人”
でもある。
「こにふぁくらぶ」は、県みどり整備課が募集した森林100+
件ボランティアに応募した人の中で特に人工林のスギやヒノキの手入れをしようという仲間が集まり、1999(平成11)年に発足した。津久井進さんも呼び掛けに応じて仲間入り。2002年から2代目の会長を務めている。現在会員は26人。平均年齢は65歳。
津久井さんは山梨県出身。山好きで高校時代は山岳部。南アルプスを友として育った。大手電機メーカーを58歳で退職。“自由の身”となって2年目の97年、中国植林ツアーに参加、内モンゴル自治区の「黒い森」といわれるオルドス・ハラサ砂漠にポプラ、マツなどを植えた。「この植林で木に対する関心
が高まり、樹木の大切さを感じた」という。その年、迷わずKFVN(香川フォレスト・ボランティアネットワーク)に名を連ね、森林ボランティアに登録した。ちょうど60歳だった。
「こにふぁくらぶ」が発足したのは、それから2年後の99年2月。当初は仕事の山探しにも苦労したというが、次第に名前が知れ、仕事ぶりが評価されて、今では山主の側から頼まれるまでに“成長”した。
毎週土、日曜日に手弁当で会員8人ほどが依頼のあった山に入り、1日4時間半をめどに雑木処理や枝打ち、間伐などに汗を流す。2ヘクタールほどの山だと、荒れ方にもよるが普通手入れに3カ月かかるという。昨年は高松市香南町や三木町、さぬき市、東かがわ市など延べ10ヘクタールで作業。「こ
れからは活動エリアを西讃にも広げたい」と意欲十分。会員は県の講習会などで腕を磨き、仕事は「安全第一」。
「放置されたままの人工林を何とかしなくては、というのは社会的ニーズ」と津久井さん。「間伐が遅れた山を見ると放っておけないと思うし、少し手を入れると活動の成果をすぐに目にすることができる。適当な運動にもなるし、達成感も味わえる」と森林100+ 件ボランティアの効用を説く。
「山は大切なものであるのに認められていない。山が健全であれば、下流も豊かになる。環境問題や登山ブームなどで山が見直されてきているが森としては見ず、頂上だけを見たり、山が放置され、荒廃していることは残念ながら見てもらえない。国も政策として、山にカネを入れてほしい」
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