v10.0
- ID:
- 48809
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1122
- 見出し:
- 無人島の外国資本購入を警戒、長崎・五島市が調査へ 法的権限に限界も
- 新聞・サイト名:
- 産経新聞
- 元URL:
- http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101121/plc1011210108000-n1.htm
- 写真・動画など:
- 【図・表 】
- 記事内容
- 長崎県五島市が、市内にある全52の無人島に関して、外国資本が所有者となっていないかなどの確認作業を始めたことが20日、分かった。この夏、同市福江港沖にある無人島が一時的に売却に出され、外国資本に購入されかねない状態にあったことが発覚したための措置。外国資本の土地所有状況調
査に、自治体が乗り出すのは極めて異例だ。
長崎県では対馬で韓国資本による土地買収が発覚し問題になったほか、全国各地でも中国資本などが水源や森林資源などの土地買収を進めるケースが発覚しており、五島市では警戒を強めている。しかし、行政には民間同士の土地取引に関与できる権限がなく、市では当惑している。
この夏に売りに出されていた無人島は福江港沖にある「包丁島」(面積約1・9ヘクタール)。かつて福江島の島民が燃料用の木材確保に利用していた島で、大部分は雑木林で建築物はない。
関係者によると、五島市内の不動産業者が価格1500万円の売却物件として、8月にホームページ(HP)に掲載していた。
住民から不安や懸念が市に寄せられたこともあり市では、売却地の地権者の情報収集や、市内に52カ所ある無人島の所有権などの一斉調査に乗り出した。
関係者によると、物件には数件の買収に関する打診が寄せられたが、外国資本からの問い合わせはなかったという。また、今月12日になり関東在住の地権者側から市側に「売却を見送る。島は売却したいが、外国資本に売る考えはない」との連絡があったという。
他の島に関する調査は継続中だが、これまでのところは外国資本の占有などは確認されていないという。
だが、市からは一連の調査過程の中で、民間同士の土地売買契約を規制したりする法的根拠がなく、情報収集しかできないことに当惑の声があがっている。
外国人の土地購入に関しては、大正14(1925)年制定の外国人土地法がある。国防上必要な地区の土地取得なども制限できる法律だが、実際に規制を掛けるには新たな政令が必要で有名無実化したままになっている。
五島市では、尖閣諸島など領土に対する脅威が強まっていることなども念頭に、「住民が住んでいる島でも過疎化は深刻で、いずれ無人島が増える恐れがある。行政が静観せざるを得ない現状でいいのか」と指摘している。
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