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- ID:
- 48769
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1119
- 見出し:
- サトヤマ保全石川で学ぶ
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20101119-OYT8T00136.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
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アジア、アフリカ、中南米の13か国の自治体職員や研究員が、石川の里山保全の活動を学ぶ研修が17日から2週間の日程で始まった。18日は、参加者が、自国の森林伐採の現状や保護対策、今後の課題について報告し、参加者からは「サトヤマの取り組みを参考にしたい」という声も上がった。
日本は、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、里山の維持や復元によって自然との共生を目指す「里山イニシアチブ」を提唱。活動を世界に広げるため、「里山イニシアチブ国際パートナーシップ」を発足させ、今回、その一環で国際協力機構(JICA)が研修を実現させた。
18日に金沢市内で行われた報告会には、研修員14人全員が参加した。
南米コロンビアの生物資源研究所に務めるセバスティアン・レストレポ研究員は、同国東部アマゾン地域で、大土地所有者が大規模な森林伐採を行い、木材販売や牧畜を展開することで生物の多様性が奪われていると報告。政府は、自然保護の重要性を呼びかけているが、国民の4割が貧困層とあっ
て、自然保護がもたらす利益が理解されにくいとし、「日本では、里山保護の啓発をどうやっているのか興味がある」と述べた。
一行は、金沢大や環境省の専門家による講義を受講し、輪島の棚田やため池を視察。若者に環境に配慮した農業を学ばせ、地域のリーダーを育てる金沢大のプロジェクト「里山マイスター」の受講者とも交流する。
最終日の12月2日には、参加者全員が、里山保全の活動やその精神を自国にどう適用していくかを盛り込んだ活動計画を発表する予定。自然環境や産業構造、経済状況が大きく異なる国々に、日本の里山保全の取り組みを広めることが出来るのか、研修の成果に注目が集まっている。
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