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- ID:
- 48127
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1013
- 見出し:
- 400歳?西日本有数トチノキ 朽木の安曇川源流域
- 新聞・サイト名:
- 京都新聞
- 元URL:
- http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20101012000151
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 滋賀県高島市朽木の安曇川源流域で、幹周りが7メートルを超えるトチノキの巨木が12日までに見つかった。滋賀県内では最大級、西日本でも有数の大きさとみられる。一帯はトチノキやカツラの自然林が残るが、昨年から民間業者による伐採が行われている。トチノキには水源地の維持や野生生物
への食料供給など多様な機能があることから、地元の人や専門家は保存策の必要性を指摘している。
環境省の希少野生動植物保存推進員を務める青木繁さん=高島市=らが安曇川源流を登った標高570メートル地点で見つけた。樹木の高さを測定する標準的な個所(山側の地面から1・3メートルの高さ)の幹周りは7・2メートル、高さは22メートル、上空に張り出した枝の広さも直径約20メートルを
超えている。
青木さんは「大きさから樹齢は400年近いと推測できる。森林と一体になった朽木の文化が木をここまで守り続けてきたのではないか」と話す。
トチノキは北海道南部から九州北部にかけて分布するが、巨木が残る地域は、近畿では京都大芦生研究林(南丹市)など4カ所に限られている。
琵琶湖環境科学研究センターの金子有子専門研究員(林学)によると、巨木が見つかった地域は芦生の森と連なり、近畿では貴重な生態系の一部になる。このような大木は「母樹」として、その一帯のトチノキ林の存続に欠かせない存在だという。金子研究員らの調査では、近畿のトチノキは東北地方などとは異なる遺伝系統を持っていることが判明しており、遺伝的な生物多様性を維持する意味でも重要な発見とみられている。
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