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- ID:
- 45978
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0514
- 見出し:
- 遠野「地駄曳き」守り受け継ごう 馬搬振興会を設立
- 新聞・サイト名:
- 岩手日報
- 元URL:
- http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100514_10
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 遠野市に古くから伝わる馬を使った木材の搬出作業「地駄曳(じだび)き」の技術を継承しようと13日、馬方や県、市、NPO法人が「遠野馬搬(ばはん)振興会」を設立した。同市には全国でも数少なくなった馬方3人が奮闘中。木材価格の下落や作業従事者の高齢化などの課題を抱え、作業の機械化が進
む中、山を荒らさない集材の担い手育成に力を入れる。
設立総会は委員10人全員が出席して同市六日町の遠野地区合同庁舎で開かれ、会長に同市土淵町の菊池盛治さん(74)、副会長に同市附馬牛町の見方芳勝さん(68)を選んだ。2人とも長年地駄曳きを続けてきた大ベテランだ。
地駄曳きは昭和40~50年ごろをピークに減少。重機が入れない山でも作業でき、地表を荒らさない集材方法だが、木材価格の下落や機械化の進展で技術継承が難しい状況となっている。
菊池さんは「他の家畜と違い、馬が山で動ける体力づくりや調教が必要。せめて餌代になる収入があれば」と話す。市は本年度から市有林の一部で搬出作業を馬方に委託。今年の事業費は約70万円だが、来年度以降は年間約150万円に倍増する方針だ。
菊池さんと見方さんの指導を受ける同市松崎町の農業岩間敬さん(32)は地駄曳き歴9年目。最近は1人で作業ができるようになり、「エコの時代に必ず見直される技術で、2人の技を継承して全国に広めたい」と意気込む。
同振興会は、地駄曳きの見学会や実地研修などを計画。研修を受ける同市宮守町の農業伊勢崎克彦さん(36)は「馬を飼って農業するのが夢。貴重な技術を身に付けたい」と友人の岩間さんと共に馬方の後継者を目指す。
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