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- ID:
- 47436
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0826
- 見出し:
- 川舟を5年ぶり新造 陸前高田の菅野さん
- 新聞・サイト名:
- 岩手日報
- 元URL:
- http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100825_9
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 陸前高田市気仙町の菅野房夫さん(57)は、気仙川でのアユ漁などに使う木造舟を5年ぶりに完成させた。平日は会社勤めをする菅野さんは、明治時代から続く船大工の家の3代目。「舟造りの技術を何とか後世に残したい」との思いを込めて、伝統工法を生かして製作した。26日に進水式を予定してい
る。
製作した舟は、長さ6・2メートル。地元漁業関係者からの注文を受け、昨年11月に地元産のスギやクリの木を仕入れ、半年間乾燥した後、今年5月から土日を利用して作業を行ってきた。
舟底のカーブは、ワラを燃やした火で木の板をあぶり、熱湯をかけて徐々に曲げた。底の2カ所に残る焦げ跡が、気仙の船大工の特徴だ。手入れをしっかりすれば25年はもつという。
木材は、長短さまざまな鉄製の船くぎを打ち込み、浸水しないようがっちりと固定した。全国的に木造の川舟を作る人は減っており、船くぎの入手にも苦労した。今回は遠野市内のかじ屋が作った船くぎを使用した。
気仙沼市の造船鉄工所の検査担当として働く菅野さんは、1995年から川舟を製作している。舟の新造は今回で18隻目。地元の釣り師によると、伝統を引き継ぐ菅野さんの舟はバランスが良いと定評がある。
1隻の価格は材料費込みで約40万円という。菅野さんは「木材は失敗すれば修正がきかないだけに、拝むような気持ちで作業した。船大工だけで生計を立てるのは難しい時代になったが、できるうちは頑張り、後世に伝統を引き継ぎたい」と語っている。
大安の26日に予定している進水式では、伝統にのっとり舟を左回りに3度回して安全と大漁を祈る。
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