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- ID:
- 47245
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0816
- 見出し:
- 伝説のイチョウ守る 高岡・勝興寺、樹勢回復へ土壌改良
- 新聞・サイト名:
- 富山新聞
- 元URL:
- http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/TH20100816411.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 高岡市伏木古国府の重要文化財・勝興寺で、「七不思議」の一つに数えられるイチョウ の樹勢回復に、勝興寺文化財保存・活用事業団が乗り出した。寺の修復工事などの影響で イチョウの根が傷んだり幹が腐食したためで、事業団は剪定(せんてい)や土壌改良など
を実施し、2017年度末の「平成の大修復」完了に向けて寺の宝として保護する。
勝興寺には「天から降った石」や「水の涸(か)れない池」など七不思議とされる七つ の伝説があり、「実ならずの銀杏」として知られるイチョウは1年を通して実がつかない 。
イチョウは本堂に向かって右側にある雌の古木で、高さは約23.5メートル、根元の 直径は約154センチあり、事業団によると樹齢は300年以上とされる。実がつかない のは栄養不足が原因とされるが、葉が少ないうえ、秋は黄葉が進まないまま落葉するなど 、以前から樹勢の衰えが指摘されていた。
このため、08年に樹木医が調べたところ、寺の修復工事に伴う車両や参詣客の通行で イチョウの根元の土が固まり、根の傷みや幹の空洞化が進んでいることが分かった。
樹勢回復作業では、根の働きを促すため、保護柵を従来より5メートル広げ、参詣客が 根元に近寄れないようにする。さらに、固くなった土を掘り返して柔らかい土に換え、肥 料を加える。今年4月には、イチョウに寄生していた樹木を剪定した。
事業団は13年度までに樹勢を回復させたい意向で、笹島千恵子専務理事は「七不思議 は人々に親しまれた勝興寺の宝物。イチョウも末永く大事にしたい」と話した。
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