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- ID:
- 46862
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0717
- 見出し:
- 100年前、渡米の夢乗せ太平洋横断…打瀬舟知ってますか
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100718-OYO1T00409.htm?from=main1
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 到達地に贈る模型船製作中
1世紀も前、若者が渡米のために乗り込んだ打瀬舟を仕上げる吉谷さん(愛媛県伊方町大浜で)
大正時代に、愛媛県八幡浜地方の若者が夢を求めてアメリカに渡る際に使った帆掛け船「打瀬舟」の模型を同県伊方町大浜の元船大工吉谷利一さん(81)が作っている。南カリフォルニア愛媛県人会が8月に行う創立100周年記念式に、八幡浜市の大城一郎市長らも出席することになり、市が吉谷さ
んに依頼して模型を作ってもらい、若者たちが打瀬舟でたどり着いた米・カリフォルニア州のポイントアリーナ市に、友好の記念として贈る。
打瀬舟は全長約13~20メートルの帆掛け船で、八幡浜地方で底引き網漁に使われていた。明治~大正時代にかけてアメリカで一旗揚げようという若者が多く、1913(大正2)年、八幡浜市真網代の海岸から若者15人が1隻の打瀬舟で出航。約2か月後にポ市にたどり着いた。15人は到着後、強制送
還されたが、その後、同様に渡航する若者が絶えず、中には移住に成功した人もいるという。
打瀬舟での渡航以外にも、米西部には県内から多くの人が渡り、同県人会には八幡浜出身者も多いところから、市長や市民らは、記念式典出席やポ市訪問を計画。記念品としての模型製作を思いついた。
市の依頼を受けて吉谷さんが作っているのは縮尺37分の1の木製模型で、全長73センチ、幅21センチ、高さ62センチ。5月下旬から実物そっくりに作り始め、特に、荒波に耐えられるよう独特の曲線を描く船首や船尾の船底部分は、木型に押し当てた板を湯に浸すなどし、4日もかけて曲線を表現した。
吉谷さんは「小さいほど難しいが、まずまずの出来栄え。友好の記念になればうれしい」と話している。
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