ID　：　 1980

公開日　：　 2006年 　11月　4日

タイトル

［フランス古道具雑記帳

新聞名

ブログ 元URL.

http://k-classiques.typepad.jp/blog/2006/10/post_195d.html

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写真:

　

木片が好きであります。これは鉄片と言ってもまた良い訳で、つまり何かの片割が幼少の時より好きなのであります。家具の一部や道具の破片や機械の一部などなど、記憶の断片の有り方に似ているような、 その固有性と忘却性の一体化にいつも魅力を覚えます。それらは用途から解き放たれた自由の身であり、観念の領域で、昆虫のメタモルフォーゼの如くまったく別の存在として認識されるところがまた興味深いのでありま す。そして名前や産地などが問われる事も無い無名性がまたよろしい。その物のディテールと材質が新たな存在感を持ち我々の知性を刺激するのですから、その物の力はなかなかのものであります 使い捨ての物に対する欲望はともかく、古物に対する欲求は所有願望とともにひとつの自己を写す鏡でもあるような、自分の影やリフレクションを知る事であるかも知れません 写真は１９００年代初頭の木片と、１８００年代の終わりに薬を入れていたという瓶であります。

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