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ID :  15081
公開日 :  2010年 2月18日
タイトル
[土蔵造りの町並み(高岡市)重厚な防火建築42棟
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub6/sanpo/ho_s6_10021901.htm
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元urltop:
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写真:
 写真が掲載されていました
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 「天井は屋久杉。ベンガラ色の壁は、一度も塗り直していません。百年たってもいい色合いでしょう」。高岡市観光ボランティア「あいのかぜ」メンバーの上杉慶子さんの解説に聞き入りながら、見事な造作に ただただ感嘆の声をあげる。
  ここは旧街道に面した「土蔵造りのまち資料館(旧室崎家)」(高岡市小馬出町)。山町筋と呼ばれるこの通りには、国指定重要文化財「菅野家」を始めとする土蔵造りの旧家が42棟立ち並ぶ。明治時代の防火建築が今も残 る、全国でも珍しい通りだ。
  土蔵造りとは、外壁をしっくいで塗り込んだ耐火建築。外観は重々しい構えだが、内部は繊細な数奇屋風。資料館の旧室崎家では天井や柱に全国の銘木を用い、凝ったデザインの釘隠しや欄間を配すなど、粋を集めた しつらえとなっている。
  2階窓の脇には、分厚いしっくいの引き戸。「火災の際には、これを閉めるわけです」と上杉さん。ひさしから鉄板が下りてくる仕掛けもあったというから、今で言う防火シャッターだ。
  これだけの建物だ。とてつもない費用がかかったことだろう。現在に換算して億単位のお金がかかったというから、けたが違う。
  膨大なお金をかけることができたのも、山町筋は江戸時代から加賀藩の商工業の中心として栄え、豪商が軒を連ねていたためだ。雪割瓦や望楼、洋風のデザインをほどこした柱など、おのおの意匠を凝らした土蔵造り の建築群に高岡商人の心意気を感じた。