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◇年輪データで伐採時期特定--奈文研研究員の藤井さん調査
木材の年輪データに基づき伐採時期を測定する年輪年代法が、ツガにも適用できる可能性がでてきた。奈良文化財研究所の藤井裕之・客員研究員の調査で、当麻寺(葛城市)大師堂(県指定文化財)と願泉寺(大阪府
貝塚市)の本堂(重文)に使われているツガ材の年輪パターンが一致。これらのデータを蓄積することで、測定が可能になるという。ツガは江戸時代の民家建築に使われることが多く、今後の近世建築研究への活用が期
待されている。【花澤茂人】
年輪年代法は、木材の年輪幅のデータをまとめてパターンを作成し、その木材が伐採された時期を特定する方法。年輪幅は気象条件などで変化するため、年輪パターンの相関関係を調べることで一年単位で特定でき
る。スギやヒノキ、コウヤマキ、ヒバ、ブナで可能とされるが、ツガは十分なデータがなく、測定できなかった。
藤井さんは昨年、県教委が保存修理工事をしていた当麻寺大師堂のツガ属の部材の年輪データを調査。既に標準パターンが作成されているヒノキのデータと比較したところ、一部が相関関係にあり、部材の伐採時期
は1640年代と分かった。
さらに今年になり、修理中だった願泉寺本堂の縁側の板を調査。このデータと当麻寺大師堂のデータにも相関関係があることを確認した。ヒノキの標準パターンから、間接的にツガ属の年代を考えることができるという
。
藤井さんは「二つの寺は離れた場所にあり、使われた部材も作られた経緯も違う。そこで年輪のパターンが一致したことは、ツガ属でも年輪年代測定ができる可能性が高い。今後も調査を続けたい」と話している。++/d
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