ID :
12405
公開日 :
2009年 7月 4日
タイトル
[魅力の明治建築物語 マスコミ報道も一役 無事残った住友家のビリヤード場
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新聞名
MSN産経ニュース
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/090705/art0907050019000-n1.htm
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写真:
写真が掲載されていました
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にぎやかな心斎橋筋商店街の近くに、文明開化の時代を思わせる洋館がひっそりと建っている。
これは、旧住友家本邸(明治12年)のビリヤード場(中央区島之内1)として建てられたものである。正面の三角ペディメント、美しいアーチ状の入り口、トスカーナ風の円柱などに明治初年の洋館の面影を残す。
国の重要文化財の旧岩崎邸(東京都台東区、明治29年、設計J・コンドル)のものより古く、現存最古のビリヤード場とされており、当研究会は、文化財の指定を要望している。
この旧住友家本邸のビリヤード場は昭和60年代、ビル建設のために解体されようとしていた。保存を要望したが、「戦後の建築で残す必要はない」とのことであった。
しかし、「近代建築画譜」では、明治初年の洋館と判明。空襲でも焼け残ったことを訴えて、保存されることになったのである。
昭和40年代から続けている当研究会の近代建築の保存活動の中で、残された数少ない例である。当時の住友銀行の理解、大阪市、建築史産業史の研究者らの協力に感謝している。
当時の新聞は、“大阪で日本最古のビリヤード場”の発見を大きく紹介した。産経新聞も、写真を入れて、「タマげた重文級のビリヤード場 戦火をくぐり残っていた」と、大きく紙面をさき、紹介している。
取り壊し計画が中断して、保全再生されるようになったのはマスコミの報道であった。しかし最近、歴史建築の保存について、マスコミの動きが少し鈍くなっている。昔のようにすぐれた歴史建築について、積極的に報
道するようにお願いしたいものである。