ID :
12022
公開日 :
2009年 6月 7日
タイトル
[あくまでも木が主役 木工工芸家 矢野義憲さん
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://qnet.nishinippon.co.jp/entertainment/creator/20090607/20090607_0001.shtml
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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両手に収まるほどのクスの器は球状で、テーブルに置いて触るとくるくる回る。器として使われることを拒んでいるかのようだ。「使い方を限定せず、持ったときの感覚を楽しんでほしい」と、あえて底に丸
みを残した。きめが細かく軟らかなクスは、しっとりとした手触りで木の深い香りが鼻をくすぐる。実は香りが強すぎるため食器には向かないのだという。緩やかにカーブした木星のような木目のしま模様が、クスが生きた
であろう長い年月をにじませている。
スウェーデンの造形専門学校で家具作りを学び、その後福岡県八女市の木工工芸家に師事した。クスの大樹に魅せられ、その生命力を形にしたいとクスを中心に家具や器を制作している。
2009年6月15―21日は福岡市博多区上川端町の和菓子店「鈴懸」で個展「木の作品展」を開く。クリやサクラを材料にした作品を初めて出品する。こちらは食器として使えるよう、器の底は平になっている。「私は木
の魅力を引き出す手伝いをしているだけ。あくまでも木が主役です」