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木造建築のネツト記事
ID :  11517
公開日 :  2009年 4月23日
タイトル
[アキュラホーム工務店再生を支援
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/special-page/jidai/200904240003o.nwc
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元urltop:
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写真:
 写真が掲載されていました
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■営業指南「土地より住宅」  住宅需要の低迷や建築資材の高騰を背景に、経営体力が脆弱(ぜいじゃく)な工務店の倒産が深刻化している。アキュラホームが運営し、約500の工務店が加盟するネットワーク「JAHBnet(ジャーブネット)」の会員の なかには、アキュラホームの建設技術やコスト削減のノウハウを活用することで地域ナンバーワンに成長する工務店もあれば、つぶれていく工務店もある。  ◆売り上げ重視是正  工務店経営の問題は投資利益率を考慮しない経営者が多いこと。売り上げばかりを重視し、コストとの見合いや利益率には頓着しない。その結果、金融機関からの融資も滞り、資金がショートして破綻(はたん)するケ ースが多いという。  ジャーブネットの会員で、愛知県の岡崎市と豊田市で事業展開していた岡崎住宅も破綻した工務店の一つ。民事再生を申請した同社に対して、アキュラホームが再建支援を決めたのは昨年5月。社員100人の継続雇 用、建築途中だった100棟の引き渡しを前提に「オカザキホーム」として同年7月に事業を始めた。  最初に社員にかけた言葉は「目を上げて、無理してでも胸を張れ」。オカザキホーム社長に就任した新美輝夫専務(50)はこう振り返る。倒産で自信を喪失した社員にやる気を起こさせるのが最初の仕事だ。不満や不 安を吸い上げ解決策を打ち出すとともに、会社が目指す経営指針を示すことで社内の活性化を図った。  しかし、船出は順風満帆とはいえなかった。不動産取引に必要な宅地建物取引業免許の取得が思うようにいかず、最初からつまずいた。以前の岡崎住宅は、取得した土地に注文住宅をセットして受注する営業スタイル を取っていたため、昨年11月までは新会社としての本格的な営業を始められなかった。同月、新生オカザキホームをアピールするためイベントを開催したが、3日間で5営業所に訪れたのは114組だった。「倒産した 会社」という周囲からの誹謗(ひぼう)中傷が障壁となり、売れるはずの物件が売れないことも多々あった。  ◆設備、性能アピール  今年3月の受注実績は計画比6割程度。2010年2月期決算で黒字化を目指すが、明るい見通しばかりではない。しかし、社員は前向きの姿勢を崩さない。不調だった昨年11月のイベントに続き今年1月に再度イベン トを実施したところ777組の来場者があった。「努力すれば結果が出る」と社員が自信を持ちなおすきっかけになった。  新美専務は、岡崎住宅時代に培った土地取得ありきの営業スタイルの改革を進めている。土地を気に入ってもらえば売れるという考えを一変することで、仕様や設備といった住宅の良さを説明することが重要になる。
そこで2月にアキュラホームの営業担当者2人を、3月1日付で営業本部長を送り込み、注文住宅の営業を強化するための施策を打っている。  アキュラホームには、多くの工務店から経営に関する相談がもたらされる。しかし、リスクを伴う支援を積極的に行えない。オカザキホームの支援は、宮沢俊哉・アキュラホーム社長の「助けたい」という熱い気持ちから 。同時に、愛知県下のジャーブネット会員の中で最も受注棟数が多く、アキュラホームの運営ノウハウを活用すれば再生可能と判断したからだ。  だからといって、他の工務店の倒産を見過ごすわけにはいかない。企業再生できる人材の採用を進めるほか、オカザキホームが再生したあかつきには、そのノウハウを他の工務店支援に活用する方針だ。(門倉千賀 子)                    ◇  ■メモ 工務店の倒産は家を建てる消費者にも影響が大きい。そのため、宮沢俊哉社長は家づくりだけでなく経営の視点を持つように啓蒙(けいもう)するため、自ら全国キャラバン「工務店復権セミナー」を展開。4月7 ~16日は広島、福岡など6会場をめぐり、176社247人が参加。建築費用の先もらいをしないことや、セーフティーネットを利用したリスクヘッジなど工務店の責任のあり方を語った。