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木造建築のネツト記事
ID :  11315
公開日 :  2009年 4月11日
タイトル
[極寒不況時の木質建材業界でも元気な企業4社を総括して(下)
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新聞名
データ・マックス
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元URL.
http://www.data-max.co.jp/2009/04/4_68.html
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元urltop:
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写真:
 
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同業他社との差別化は業態変化と柔軟性で  これら4社に共通するのは、抜群の財務内容である。安定した収益構造を持ち、内部留保を積み立ててきた結果が、未曾有の金融危機のなかでも積極果敢な攻めの経営ができる要素になっている。さらに、気がついて みたら見事な業態転換を行なっていることも特徴のひとつだ。
 流れに棹をささず、時代の流れと取引先の要望に体を合わせる柔軟さを持ち合わせている点も共通しているといえる。
 4社のなかで唯一の卸売り業者の越智産業は木材部門を持たないが、すてきナイスグループやJKホールディングスは今後プレカット加工部門を強化しながら流通支配を窺っていくに違いない。前述のように、耐震診断 ・設計、木材プレカット加工からサッシはめ込みを含めたパネル化、建て方・施工に至るまで流通の主導権を握るからである。
 キユーハウは、越智産業やジューテックなどがプレカット工場への設備投資をせずに中国木材などへ委託加工を依頼し、製品を合板販売同様に薄利で販売するやり方を警戒し、設計支援(構造計算・耐震診断)などの 技術支援や迅速なジャスト・イン・タイム物流などのサービス面の強化を挙げている。仕入れたものを仕入れたかたちのままで右から左へと動かすだけの卸問屋機能だけでは生き残れない。加工や施工を施す機能や商 品のハイブリッド化も必要である。越智産業は、この4月に某建材専門商社の支店長をスカウトしたという。越智社長は「営業所長クラスならばプロパー社員で賄えるが、50歳代以上の本部機能を任せられる人材がまだ 不足しているので補完していく必要がある」と話す。
 急激な業界環境の悪化と時代の変化、それに対応する戦略立案が求められるが、いずれも将来を見据える先見性と歩行が定まれば、選択と集中が必要なことを物語っている。
 乱世の時代こそ、同業他社との差別化ができる業態変化が必要であり、また最大のチャンスでもある。
諸施策を足掛かりに冷静に市場を見渡す  自動車関連の需要が激減し、外需から内需振興へ舵を切らざるを得ない景気対策のなかで、こと住宅に関してはてんこ盛りの景気対策が施されようとしている。
 住宅ローン減税は一般住宅で最大500万円、耐震性能に優れた長期優良住宅に関してはさらに100万円上乗せした600万円のローン控除が認められる。また期間も延長されるので、耐久消費財購入を促進し景気対策 としては十分過ぎるであろう。
 住宅金融支援機構の『フラット35』を頭金なしでも利用可能とする案も浮上してきた。同機構と任官金融機関と共同で提供する長期固定金利の住宅ローン商品で、住宅の建設・購入費用の90%までを融資するという。
 一方、クリーンエネルギーとしての太陽光発電の普及スピードを上げるための補助金制度拡充も急ぐ。普及スピードが速まれば速まるほど、加速度的に太陽熱発電機のコストが低下し、さらに普及スピードを速めると いう好循環を産み出す。
 下げ止まらない地価の下落も、第一次住宅取得者の購入意欲を刺激するだろう。分譲住宅用地として先行取得していた企業には気の毒だが、手持ちの土地の評価損を計上して新規物件への買い替えを急がざるを得 まい。そうすると潜在需要喚起につながり、景気回復への足がかりが掴めるであろう。
 一億総悲観論に陥らず、何度も強調するように冷静に市場を見渡せば『春』の息吹が芽生えていることに気がつくはずだ。再度言う。『選択と集中を!』