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ID :  1178
公開日 :  2006年 6月12日
タイトル
[経済ロビー 進む森林認証取得
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新聞名
岩手日報
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元URL.
http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200606/e0606131.html
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元urltop:
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写真:
 
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世界的な森林保全の問題を背景に、持続可能な森林経営を目指す森林認証・ラベリングの取り組みが国際的に広がってきている。
 森林認証・ラベリングは、一定の基準に沿って適切な森林管理が行われている森林または経営組織を認証し、それらの森林から生産された木材・木製品へラベルを張ることにより、消費者が環境に配慮した商品を選択 的に購入できるようにする民間主体の制度である。認証は、森林管理の認証と加工・流通認証のプロセスからなり、製材や建築などの加工・流通認証を経てはじめて最終製品にロゴマークを表示することができる。
 国際的には、森林管理協議会(FSC)や汎欧州森林認証(PEFC)等複数の認証制度が存在しており、欧州を中心に先進国で認証が進んでいる。こうした取り組みは、違法伐採の防止に有効であるほか、森林整備や林 業の競争力強化に結びつくなどさまざまな効果が期待される。
 日本においても、2000年に三重県の林業者が初めてFSCの認証を取得して以来、認証取得に向けた動きが活発になっている。03年には、わが国独自の認証制度である緑の循環認証会議(SGEC)も創設されてい る。
 県内では、FSCの認証取得が進んでおり、06年3月時点の認証面積は1万8千ヘクタール(民有林を含む3カ所)、加工・流通の認証件数は15件となっている。特に岩泉町や住田町、葛巻町では、製材や建築などに携 わる地元業者が加工・流通認証を取得するなど、生産から加工、販売に至る流通面の整備が図られてきており、地元産材と木製品の高付加価値化に向けた取り組みが強化されている。
 今年4月からは、「グリーン購入法」の基本方針見直しにより、政府等が調達する木材・木製品については、FSCやSGECの森林認証などによる合法性・持続可能性の証明が必要とされており、森林認証取得の動きはさ らに広がるものとみられる。
 日本における森林認証・ラベリングの取り組みはまだ歴史が浅いものの、その重要性は高まりつつある。今後、認証制度が有効に活用されていくことにより、本県の森林が適切に保全され、林業の振興にも資することを 期待したい。