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木造建築のネツト記事
ID :  9642
公開日 :  2009年 3月11日
タイトル
[手仕事探訪:/ 大鰐町・木工=山内将才さ
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/aomori/news/20090311ddlk02070031000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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和の味わい、モダンな形に  大鰐町の木工工房「わにもっこ」は、素材をそのまま生かした無垢(むく)の木を使った家具で知られる。同工房の山内将才(しょうさい)さん(40)は「直線的で一見、何気ない形だが、日本の所作、しつらえ、文化を意識 し、細部までデザインしている」と語る。人間工学的な家具の研究で知られるデザイナーの故・箟(やの)敏生さんや、荻野克彦さんの影響を受けたといい、脚の高さが変わる座卓や、立てても横にしても使えるテーブル など、機能面でも工夫している。「息子が生まれた時に与えたいと思って作り始めた」という木のおもちゃやテーブルウエアには、端材を活用。シンプルながら優しいぬくもりがある。
 大鰐は代々、山仕事に従事してきた人々が多い。「日本三大美林の二つが交わる場所。秋田杉の北限、青森ヒバの南限で、(津軽藩主の)津軽為信公の時代から木材は貴重な財源だった」という。
 しかし、昭和50年代に輸入材に押されて国産材が暴落。「ここで木工をやって木材に付加価値を付ければ、自分たちの稼ぎ分が出るのでは」との思いから、89年に林業や木工、建具関係の人々が集まり、「わにもっこ 企業組合」がスタートした。
 デザイナーとのコラボレーションで注目されるのは、レジデンス(滞在製作)で大鰐を訪れたのを機に交流が始まった米国の木工作家、マイケル・ハーウィッツさんがデザインした家具だ。同工房の他、県内の木工職人 らが参画し、組み子など和の味わいを取り入れつつ、モダンな形に仕上げた。この家具は昨年、青森市の国際芸術センター青森で展示されて好評を博した。山内さんは「素晴らしいデザインと高度な技術を兼ね備え、米 国の手仕事のレベルの高さに圧倒された」という。一方、「日本はデザインから商品化まで短時間。1カ月に10点20点作らないといけないが、ハーウィッツさんが製作するのは1カ月に1点ぐらい。生活に使う道具でも、 良質のものを求めてお金を出すパトロンがいる。だから難しいことにも挑戦できるのではないか」と、日米の土壌の違いを指摘する。
 家具作りに重要なのは木材の乾燥だ。「木組みも、乾燥していればシンプルな『ほぞ』でがっちり組める」という。木の堅さや性質を見分けるのも大切。「手仕事とは五感を研ぎ澄ますこと。そこから、ものの形や用途が生 まれる」というのが山内さんの持論だ。「木工とデザインと森」をライフワークに、日本の日常空間を意識した、「生活を提案する」もの作りがテーマだ。