ID :
9564
公開日 :
2008年 12月 1日
タイトル
[「刳(く)ってる時が一番楽しいです」。
.
新聞名
毎日新聞
.
元URL.
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20081130ddlk32040362000c.html
.
元urltop:
.
写真:
.
「刳(く)ってる時が一番楽しいです」。第55回日本伝統工芸展の木竹部門で入選した村山創達さん(29)=東出雲町=は木工の魅力をそう語る。「刳ってる」とは木材をノミでくりぬくことで、村山さんが専門と
する伝統工芸の技法だ。
現在は出雲かんべの里工芸館にアトリエを構え家具作りをしている。
中学生のころ、祖父とともに地元の材木屋に行き、椅子を作るような少年だった。その材木屋は今でも木材を提供してもらうなど、全面的に支援してくれている。受賞してからは近所の人から声をかけられることも多くな
った。
家具作りの基本となる木材の組み方など伝統工芸の技法には昔から興味があったが、工芸品を本格的に手がけたのは昨年の春とキャリアは短い。しかし「今までは個性を出そうとしていたが、工芸品は30、40年と使
ってもあきない」と、作風に与えた影響は大きい。
木という素材に対する愛着も強い。「木に対して失礼」と基本的にはクギを使わない。古民家の廃材から伝統工芸の「指し物」の盆を仕上げたこともある。「数百年前の木材には、何代もの人とともに過ごしてきた時間が
感じられる」と話す。【