.
.
元URL.
.
.
.
巨木が必要な大規模な古社寺などの将来の修理に備え、各地の森林の登録を呼びかけるプロジェクトが今月から始まった。奈良、京都の仏教関係者や林業者らが参加。同じ趣旨の取り組みは国も進めてい
るが、民間では初めて。12月7日には京都で記念シンポジウムを開く予定だ。
民間組織「文化遺産を未来につなぐ森づくりの為(ため)の有識者会議」(事務局・東京)の事業「文化材創造プロジェクト」。奈良・法隆寺の大野玄妙管長や京都・相国寺住職で臨済宗相国寺派の有馬頼底(らいてい)管
長、各地の文化財、林業関係者らが参加する。
大型木造建築の寺や神社などは数百年に1度、解体修理が必要だ。しかし、それに見合う樹齢数百年に達する良質の大木は枯渇したとされ、海外でも乱伐が進む。対象は、現在の樹齢が80年以上になるヒノキやスギ
、マツなどで、樹齢150年以上となるまで長期育成を目指す。
有馬さんが幼少期を過ごした大分県日田市がすでに市有林0・7ヘクタールを申請。三重県尾鷲地域や奈良県吉野地域の大規模林業者が名乗り出るなど20の団体・企業や個人が第1陣として登録する見込み。シンポ
ジウムの席上で感謝状と登録証が手渡される。
「有識者会議」共同代表で、元東京国立文化財研究所長の伊藤延男さん(建築史)は「国内の主な文化財建築の大規模修理は明治~昭和でほぼ一巡したが、200~300年後には次の修理が必要になる。森林所有者の
善意を寄せてほしい」と話している。
「有識者会議」(電話=042・308・7227、メール=info@bunkaisan.jp)のシンポは12月7日午後1時から龍谷大学・大宮学舎(京都市下京区)で。参加無料、申し込みは12月1日まで。(編集委員・小滝ちひろ)++/div+
+