ID :
8167
公開日 :
2008年 11月18日
タイトル
[伝統建築の工程を本に 原田紀子さん、茅葺き小屋の作業1年間を描く /東京
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20081117ddlk13040089000c.html
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元urltop:
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写真:
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国立科学博物館職員・原田紀子さん
「伝統工法で建てた家は300年持つ」という宮大工の言葉を確かめようと、国立科学博物館職員の原田紀子さん(60)が、埼玉県川口市郊外に6畳一間の茅葺(かやぶ)き小屋を建て、作業工程をまとめた本を出版した
。「よいとまけ」で礎石を置き、作業唄(うた)で音頭を取りながら、熟練の職人らとともに1年がかりの工程が描かれている。原田さんは「このままでは100年後に伝統建築の家がなくなってしまう。自分もやってみようとい
う人が一人でも出てほしい」と話す。
長く同博物館公報誌の編集を担当した原田さんは20年前、取材で「最後の宮大工」と称された故・西岡常一さんと知り合い、伝統建築に興味を持った。阪神大震災後には一帯の日本家屋の被害を調べ歩くなど、独自に
研究を続けてきた。
6年前、相次いで妻と一人息子を病気で失った原田さんの父が、同市新堀の植木畑を2人を記念する公園のような場所にしたいと言い出したのがきっかけで、原田さんが「どうせなら」と茅葺き小屋の建築に乗り出した
。
著書には、熟練の大工や茅葺き師を探し出したいきさつや、やぐらを組み、重しの丸太を持ち上げては落として地固めするよいとまけの様子などが、写真入りで描かれている。費用は約500万円。父親は昨年8月に亡
くなったが、小屋は父親が植えた梅などの果樹に囲まれて建ち、近所の話題になっているという。原田さんは見学会を計画している。
著書には12人の職人の聞き書きも掲載している。著書「伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた~『木の家は三百年』実践記~」は農山漁村文化協会発行。1680円。小屋についての問い合わせも同協会(03・3585・11
41)へ。【