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島田市大代の市指定文化財「河村家住宅」の所有者で、学習塾経営の河村隆夫さん(57)が同住宅の維持管理費を捻出するため、自宅にある約100本の梅の木のオーナー制度を始めた。河村さんは「自分
が生まれ育った家とはいえ、個人の管理では負担が大きすぎる。でも、何とか守りたい」と苦しい胸の内を明かし、協力を呼び掛けている。
現在は母屋の近くの住宅で家族と生活している河村さん。母屋を維持するには年に3回ほどの庭木の手入れなどが欠かせない。数十万円掛かるが、「市の補助は年4万円。金谷町時代の1万円より増えたけど、厳しい
ね」と漏らす。その上、母屋の周りの米蔵など数棟や、土塀などは文化財指定を受けていないため、見るからに荒れ放題の状態。
一昨年、病気で入院生活を体験した河村さんは「自分が倒れた時、娘にこの家を頼むとは言えない。財政的に自立した文化財にできないかと考え始めた」という。思案の末、昭和50年代に休耕田に植えた梅の木のオ
ーナー制にたどり着いた。
梅の木1本1万円(1年間)で、梅の実15キロを保証するほか、「梅の花見や、自宅山林での散策、山菜採りも可」などと付加価値を付けた。
市教委によると、文化財の母屋は江戸時代の寛政5年(1793年)に建てられた「かやぶき寄棟造り」。河村家は幕府直轄の山林を管理する「御林守」の役職だった。
河村さんは「自分の家を他人の金で守るのかとの批判もあるだろうが、文化財の保存の意味で理解してほしい」と話し、収穫作業に参加できるオーナーを募っている。収支は「ホームページで明確に報告する」という。+
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