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ID :  6616
公開日 :  2008年 3月 7日
タイトル
[初めから違法性認識 イタリア村建築条例違反
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008030702093250.html
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元urltop:
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写真:
 
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 「ショックだ」「またか」-。建物に建築条例違反の疑いが発覚した名古屋港イタリア村。建物の仮差し押さえ問題が明るみに出たばかりで、相次ぐ“不祥事”に絶句する従業員も。観光施設としてのイメージ 低下は避けられない。「営業に支障はないと…」。同村幹部は違反建築を認識していたことをあっさり認めた。
 名古屋港イタリア村株式会社の阿部昌隆常務(51)は2005年4月のオープン前から、条例違反を認識していたことを明らかにした。「実際は木造ではないかと、完成前に聞いたことがある。だが構造上、弱くて倒れる ものでもないし、条例は津波や高潮を想定したもの。日常の営業に支障はないと思っていた」と釈明した。自ら構造を確認することはしなかった。
 今年2月、名古屋港管理組合から「条例に違反しているのではないか」と指摘を受けるまで、具体的な調査は行わなかった。阿部常務は「オープンから3年近く、安全性を心配する意識はなかった」と語った。
 建築確認をした民間の検査機関は「イタリア村の書類には鉄骨とあった。まさか木造とは思わなかった」と話す。施工業者も「(木造は)イタリア村からの指示だった」と証言。イタリア村の会社内部でだれがどのように“偽 装”にかかわったかについて、阿部常務は「調査中」とするが、名古屋市の幹部は「常識では考えられない大胆な手口」と驚く。
 イタリア村は赤字が続くが、支援企業を探しながら営業を続ける方針。違法建築が明らかになったことが「プラスになるとは思えない」と阿部常務。経営再建に向けてまた1つ障害ができた。
◆従業員、不祥事続きに「またか」  建物に建築条例違反の疑いがあると判明した名古屋港イタリア村では6日夜、商業施設に勤務する従業員らが、驚きや不安の声を漏らした。
 条例違反の疑いがある建物が多いとされるチッタ・ディ・ムラーノ区域のピザ店に勤務する男性(47)は「オープンして3年だが、(条例違反だと)突然言われても。最近は、建物の仮差し押さえ問題などで新聞をにぎわ せており、正直、またかという気持ち。お客が減らないか心配だ」と語った。
 イタリア料理店の外国人男性シェフは「ショック。全部壊すの?」と言ったきり、しばらく言葉が出ない様子。「大きい会社だと思って働く先を選んだのに。早く直してほしい」と訴えた。
 オープン当初から物販店で働いているという50代女性は「経営の問題とか、いろいろあるけれど、私はこの施設がおしゃれで大好き。明日も笑顔で皆を迎えます」と話していた。
◆伊勢湾台風を契機に施行  名古屋市住宅都市局によると、市の臨海部防災区域建築条例は伊勢湾台風(1959年)を契機に、その2年後に施行された。高潮などの危険がある区域の建築物に非木造にすることや、床の高さを一定以上に設定す るよう求めている。
 イタリア村の敷地は「直接高潮による危険のおそれのある」第1種区域に指定され、木造以外の建築物としなければならないと定めている。市が条例違反で是正を勧告した14棟は、建築確認申請の図面上は「鉄骨造り 」とされていた。だがイタリア村から「木造の可能性がある」と相談があり、市が施工業者への聞き取りや建物の構造を調べたところ、木造と判明。14棟の建築確認は2004年12月前後に、指定確認検査機関である民間 の「日本ERI」(東京)と「愛知県建築住宅センター」(名古屋市)の2社が行っていた。