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ID :  6560
公開日 :  2008年 3月 3日
タイトル
[糸ノコ操り 木片アート-マイタウン愛知
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新聞名
asahi.com
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元URL.
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000000802280004
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元urltop:
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写真:
 
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 電動の糸ノコギリで切り分けた木片に着色し、再び組み合わせて絵画のように仕上げる「スクロール・ソー・アート」の展示会が29日まで、名古屋市中村区のホテルアソシア名古屋ターミナル9階の「プリエー ル・ギャラリー」で開かれている。作品はすべて1枚の合板からできていて、訪れた人たちは、完成度の高さに目を丸くしていた。
 初めての個展を開いたのは、長野県阿智村浪合にアトリエを構える杢爺(もく・じい)こと宇佐見祐輔さん(70)=名古屋市守山区。同市立工芸高校を卒業後、家業の家具づくりに携わってきた。00年、胃などの摘出手術 を受けたのを機に一線を退いた。体調が回復したあと、同村にログハウスのアトリエを建てた。家具づくりで培った糸ノコの技術を生かし、ボランティアで木工教室を開いた。
 そんな時、米国の書籍で糸ノコを使った木工芸「スクロール・ソー・アート」が目に留まり、空き時間などを利用して独学で始めた。
 通常は、ムク材に下絵を書いて糸ノコで切り分け、ペンキなどで色づけした木片を組み合わせるという。
 しかし、宇佐見さんは5年ほど前、写真のコピーを板にはり、パーツごとに切り分ける技法を確立。濃淡を出すため、木工用の塗料で着色して再び組み合わせ、立体的な作品に仕上げる。
 使用する電動糸ノコの歯はわずか0・4ミリ。木の良さを熟知している宇佐見さんは、材料も地元で親しまれているシナノキの合板を使う。「白い木肌の特徴を生かしながら、1ピース、1色が自分の原則。合板の良さをP Rできたら」と話す。
 題材は、弥勒菩薩(ぼ・さつ)などの仏像からハリウッドスターまでさまざま。一つの作品を仕上げるのに3週間ほどかかる。切り分けた木片は、多いもので千個以上にものぼるという。
 これまでに50点ほどを手がけた。お気に入りはオードリー・ヘプバーンと弥勒菩薩をモチーフにした作品だ。宇佐見さんは「単純な作品ほど奥が深く面白い。納得できる作品をつくり続けていきたい」と意気込む。会場に は8点を展示。28日は休み。入場無料。