ID :
6439
公開日 :
2008年 2月22日
タイトル
[「木の建築賞大賞」に鶴岡の菅原さん 三川町東郷小 を設計
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新聞名
山形新聞
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元URL.
http://yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200802/22/news20080222_0367.php
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写真:
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独創的で、優れた木の建築物などをたたえる特定非営利活動法人「NPO木の建築フォラム」(東京都、理事長・坂本功東京大名誉教授)の「木の建築賞大賞」に、三川町東郷小を設計した鶴岡市日出1丁目の
菅原英介菅原二郎建築設計事務所長(56)が決まった。雪国に育つ杉に特徴の根曲がり材を梁(はり)に活用するなど地域性にこだわった創造的な建物であることが評価された。5月18日、東京大農学部弥生講堂で表彰
を受ける。
同賞は2004年度に創設。地域を設定して作品を募集しており、本年度は北海道・東北・新潟ブロックを対象とした。審査は筑波大の安藤邦広教授を委員長に実施。昨年9月の書類選考を皮切りに、18点について2次選
考、現地視察、最終選考を重ね、先ごろ、結果を公表した。
同小は庄内産杉材を使用し、伝統的工法で建築した木造平屋の校舎。延べ約3400平方メートルで、2004年度に完成した。集成材を使わず、樹齢150年から200年の庄内産杉などを活用。形状や木目を生かした建築に
徹した。
根曲がり杉の活用など木の特徴を生かした創造的な三川町東郷小校舎
特徴は根曲がり材の使用。山の斜面の杉は冬季間、積雪が斜面に沿って下方に崩れてくるため、それに押されて根本が曲がる。この部分はあまり使用されなかったが、菅原所長は「雪国の特徴を表す形状」として、その
まま梁やテラスの内側の支え=方杖(ほうづえ)=に活用した。
直射日光を遮るため各教室にテラスを設置。高窓も設け、西風が入るよう工夫した。床にはナラ材を使い、冬は床下に温風を吹き込んで全体を暖める床暖房を導入。断熱効果を高めるため木製サッシ戸を採用するな
ど、木をふんだんに使った。
地域性を踏まえ、木の特性を巧みに引き出した機能的な校舎として最高賞に決まった。菅原所長は「子どもたちの心豊かな成長を思い、大木と向き合って構想を練った。評価されて光栄だ」と話している。