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ID :  6309
公開日 :  2008年 2月12日
タイトル
[南大門火災:なぜ火は消えなかったのか(上)
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新聞名
朝鮮日報
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元URL.
http://www.chosunonline.com/article/20080212000046
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元urltop:
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写真:
 
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廃虚と化した崇礼門(南大門)には出火当時、数十台の消防車と多くの消防隊員が動員され、消火には十分な時間があったかに見えた。しかし、なぜ火は消えなかったのか。現場を訪れた専門家は11日、初期 対応の遅れが原因ではあるが、崇礼門の構造や特徴を理解していなかったことも一因だと指摘した。
◆屋根の建築様式把握せず  消火作業のため崇礼門の2階部分に進入した消防隊員は煙が出ているだけの状況を見て、火の手はある程度収まったと判断した。その結果、火が再び広がるのを防ぐことができず、焼け落ちる崇礼門になす術がなか った。キョンウォン大のパク・ヒョンジュ教授(消防防災工学)は、「消防隊員の話に共通するのは、黄色い煙が出ていたが、赤い炎は見当たらなかった。火を発見できなかったのは、『積心木』という伝統的な屋根の建築 様式を消防隊員が知らなかったためだ」と指摘した。
 崇礼門2階の屋根は伝統的な建築様式だった。瓦の下に補土(石灰質を含む泥の層、30-60センチ)、積心木(屋根内部にわたす丸太材)、蓋板(垂木の上に被せる板)、しっくい、垂木(たるき)の6層構造になっている 。屋根の内部にある木造構造物の積心木は下から見ると蓋板やしっくいに阻まれ、上からも屋根と補土に隠れて見えない。パク教授は「消防隊員が見たという黄色や黒の煙は積心木が燃えて発生したものだ。屋根内部が 燃えていても外部からは炎が見えない」と説明した。一般的に木が燃える際には白い煙が発生するが、泥で覆われている積心木は酸素不足で不完全燃焼を起こし、黄色い煙が出るという。
 韓国の伝統建築に詳しい高麗大の朱南哲(チュ・ナムチョル)名誉教授(建築工学)は「積心木に燃え移った火を消すためには、屋根の最下部にある蓋板としっくい(厚さ計1センチ)を取り除き、放水する必要があった」 と指摘した。消防隊員はしっくいや瓦に隠れていた積心木の存在を知らず、初期消火に失敗したことになる。