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木造建築のネツト記事
ID :  6055
公開日 :  2008年 1月22日
タイトル
[マンサク広範囲で枯死 合掌造り維持に懸念骨組みに
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必須、白川村が調査へ
新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20080121-OYT8T00906.htm
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元urltop:
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写真:
 
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世界遺産の合掌集落で知られる白川村で、合掌造り家屋の骨組みを縛って固定するのに使うマンサクの木が広範囲に枯れていることが分かった。原因は不明だが、「合掌造りの伝統的な家屋の維持に影響が 出る恐れがある」とし、5月に調査する。
 マンサクは関東以西に見られる落葉低木。早春に黄色い花を咲かせる。合掌集落の家屋では、クギを使わず、マンサクの若木(直径約3センチ、長さ1・5~2メートル前後)を使い、骨組みを縛る伝統の建築技法が伝わ っている。乾燥するにつれてしまるマンサクの性質を利用した生活の知恵で、雪の重みで家屋がつぶれたり、強風で倒壊したりするのを防ぐため、家全体を柔軟な構造にしている。
 マンサクが枯れる現象は、1988年に愛知県内で初めて見つかった。その後、各県の調査で本州や四国などでも被害が出ていることが分かった。白川村では昨年、白山スーパー林道入り口付近の山林でマンサクの被 害が見つかった。
 美濃市にある県森林科学研究所などによれば、枯死の詳しい原因は不明だが、何らかのカビに感染した可能性が高いとみている。カビがマンサクの若木の葉に付着すると、葉が枯れ始め、数日の間に枝全体に広がっ ていく。毎年繰り返されると、数年で樹木が枯死してしまうという。
 マンサクの若木は、国の重要文化財に指定されている「和田家」で約2400本使われている。屋根のふき替えに合わせて、20~30年おきに取り換えられるが、同村には約180棟の合掌造りの家があるため、毎年1~ 5棟ずつ、取り換え作業が行われている。
 県と村では5月ごろ、詳しい調査をして、被害場所の範囲と本数をまとめ、消毒をするなどの対策を決める。同村産業課では「マンサクが大量に枯れて、本数が少なくなると、合掌造りの伝統的な構造が維持できなくな る。県の協力を得て早急に被害規模をまとめ、防除対策をしたい」と話している。