ID :
5857
公開日 :
2007年 12月25日
タイトル
[原油高が追い風? カラマツストーブ人気
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=9309
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写真:
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カラマツなどの針葉樹を薪(まき)として有効活用し、手入れが遅れている森林の整備を進めようと、諏訪地方の有志でつくる有限責任事業組合が普及を目指すカラマツストーブ。今季は原油高も”追い風”
となって販売台数が伸びており、導入した家庭からは「灯油が高値なので助かる」との声が聞かれる。「目標はストーブを売ることではなく、豊かな森林づくり」と組合。環境にも優しいストーブのさらなる広がりを目指し、
設置希望者への助成金交付を地元自治体に働き掛ける活動も始める。
「針葉樹は火持ちが悪いと言われるが、灰の上に薪を直接置く構造のため持ちはいい。熱も遠くまで届きます」。茅野市笹原の組合事務局。代表の清水馨さん(65)=同市笹原=と、山田潤さん(41)=同市蓼科=が「ダ
ックスフントのような」形状をしたストーブを囲みながら、特徴を教えてくれた。
組合によると、カラマツやアカマツは火持ちの問題に加え、煙突にやにが付いて手入れが面倒との理由で、薪には向かないとされる。ただ、このストーブは一般的な鋳鉄製でなく、鋼鉄製。高温燃焼に耐えるため、や
にが燃え尽き、灰の発生も少ないという。
ストーブは注文を受けた後、近くの鉄工所が製作する。既存住宅でも壁に煙突を通す穴を開けるだけで、一日で取り付けが可能という。八ケ岳山ろくで間伐された針葉樹を集積する「まきステーション」を同市白井出に
設置。薪割り機を備えており、薪を安価で供給する態勢を整える。
ストーブ本体は24万円。これに煙突代と工事費が掛かるが、手入れも簡単で「ランニングコストはすごく安い」と山田さん。将来的には集落ごとに「まきステーション」が置かれ、地域で出た間伐材を住民が利用する「エ
ネルギーの地産地消」が進み、山づくりにつながることを願う。
今季は、すでに昨季の販売総数を上回る22台が売れた。「火を見ながら過ごしたい」という設置者の要望に応え、新たに炉の中が見える窓も本体に取り付けた。
カラマツストーブをロビーに設置し、4季目を迎えた奥蓼科の明治温泉旅館。冬期は氷点下20度以下になることもある極寒地だが、「通常のストーブとヒーターを使っていた時よりも、灯油代は2割減った」と矢崎美一
社長(63)。「『山の宿らしい』と宿泊客の評判もいい。料理もでき、洗濯物もすぐに乾く。薪づくりは健康づくりにもなるので、”一石十鳥”ですよ」と笑顔だ。
県内の森林の大半は針葉樹の人工林が占めているが、需要が少ないために切り捨てて放置されたカラマツは多い。県諏訪地方事務所は「切り捨て間伐をなくすためにもいい取り組み」とする。
カラマツストーブ普及有限責任事業組合は昨年10月、環境問題に取り組む8人で設立した。「灯油を使わないことで二酸化炭素を削減できる。薪ストーブの設置希望者へ補助金を交付している自治体もあり、地元の市
町村にも働き掛けたい」と話している。
カラマツストーブの問い合わせは、事務局の山田さん(電話0266・67・2848)へ。