[木の温かみ残し『砂場』再生 港の老舗そば店 耐震工
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事が完了 あすから営業 
 新聞名 
東京新聞 
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元URL. 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20071223/CK2007122302074405.html 
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元urltop: 
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写真:   
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港区虎ノ門のオフィス街にある老舗そば店「虎ノ門砂場」で進められていた木造店舗の補強工事が完了し、二十四日から「再生」した店舗で営業を始める。築八十四年の趣ある建物を維持しながら、耐震補強
や補修をする珍しい工事によって、長く親しまれてきた店構えがよみがえった。 
 店舗は一九二三(大正十二)年の建造。四十四年前と十三年前に二度、鉄筋を使って補強したが、今回は木組みの接続部分など以外は、創建時と同様に木材だけを使った。 
 建物を真上にそのまま引き上げて基礎を改良。腐食した柱や梁(はり)を交換し、新築同様に強度を高めた。モルタルで塗られていた南側の壁は、創建時にあった格子窓を再現した。 
 店内も大正時代に多かった数寄屋風などの意匠を取り入れた。なげしや手すりなど、見える部分には極力使い込まれてきた木材を再利用し、店の歴史を伝える。 
 設計を担当した降幡建築設計事務所(長野県松本市)の小坂進さん(59)は「木組みなど当時の職人の高い技術をあらためて知った。技術的に大変難しかったが、ビル街の中で“生きている”と感じられる建物をそのま
ま使っていくことの味わい深さを感じる」と話す。 
 同店五代目の稲垣隆一さん(69)は「昔のままの姿がよみがえりうれしい。これからもオフィス街のお客さんに立ち寄ってもらえたら」と話している。  
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