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保坂さんは多くの地震被災地で調査や住民相談に取り組まれてきました。倒壊した木造住宅もたくさんご覧になっています。
保坂 被災地を見ていつも感じるのは、多数の住宅が倒壊してしまったことに加え、まだ利用できる多くの住宅が取り壊されていることへの無念さです。
また被災地では、倒壊した住宅を取り壊したために生じる廃棄物の山や、学校の校庭などにずらりと並んだ仮設住宅をあちこちで見かけます。しかし、もし同じような大被害が首都圏で起こった場合、これだけの廃棄物
を処分し、仮設住宅を建設するのにどれだけ時間とコストを要するでしょうか。地震で被害を受けない住宅をつくることはもちろん、多少の被害を受けた建物を簡単に壊さず、建物を生かして復旧できるようにすること
が必要だと思います。
―― 今年7月に発生した新潟県中越沖地震の被災地の様子はいかがでしたか。
保坂 前回にも紹介していますが、外装を大掛かりにリフォームしたばかりの住宅が倒壊していました。もともと築100年ほどたった住宅とのことで、近づいてみると、足元の土台などは劣化したものがそのまま残っていま
した。外観や設備を新しくするためには2000万円程度の工費がかかったのではないでしょうか。その費用の1割でも構造上の補強に費やしていたら、結果はまた変わっていたのではないかと残念に思います。
外装などのリフォーム後に被災して倒壊した家
もう1つ目についたのは、地盤による被害です。土砂崩れや液状化によって、家が大きな影響を受けました。脆弱な擁壁によって支えられた盛り土の崖地にできた住宅街で、大きな被害を受けたところも見ました。++/d
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