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ID :  5728
公開日 :  2007年 12月12日
タイトル
[薬師堂の建築年代特定へ 柱など年輪調査 奈良文化財
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研究所
新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20071212/CK2007121202071337.html
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元urltop:
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写真:
 
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 大桑村殿の池口寺(ちこうじ)にある県宝の薬師堂で十一日、使用木材から建物の建築年代を突き止める奈良文化財研究所(奈良市)の「年輪年代学」の専門家が調査を実施した。七百年前ごろの鎌倉時代 末期建造とされる建物だが、科学のメスによる詳しい年代特定が期待でき、地元の研究者も興味深く見守った。
 調査は同研究所年代学研究室の光谷拓実室長が十日から二日間実施。解体修理のため取り外された柱などを調べた。
 木材に刻まれる年輪の幅はその年々の気候変化を反映している。光谷室長は、多くの木から年輪幅の移り変わりの共通点を見つける作業を積み重ね、紀元前にまでさかのぼる年輪の刻み方のパターンを調べ上げたこ とで知られる。このデータで、建物の木材が切られたときを一年単位で知ることができる。
 薬師堂の改修現場では光谷室長や、木材中の炭素から年代特定をする武蔵大総合研究所の中尾七重さんらが調査。太いヒノキ柱の断面をカメラに収めるなどした。光谷室長は「百年以上の年輪を刻むなど良質な木材 が多く、とてもいい研究対象」と話した。
 調査に立ち会った県文化財保護審議会委員で信濃建築史研究室(伊那市)室長の吉沢政己さんは「建築年代は建物の形や文献などから調べるが、それをさらに科学的見地から特定することに意義がある」と話していた 。