ID :
6407
公開日 :
2008年 8月20日
タイトル
[団地のシンボル”移植へ ケヤキの大木が再開発で
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新聞名
タウンニュース
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元URL.
http://www.townnews.co.jp/020area_page/01_thu/21_naka/2008_1/02_21/naka_top1.html
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元urltop:
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写真:
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北仲通北地区の再開発にからんで、海岸通団地内に立つ一本のケヤキが、2月末にも移植される。このケヤキが区画道路の予定地に植わっているためだが、長年、シンボル的存在としてケヤキを大切に見守
ってきた住民たちは、複雑な思いで移植工事の成り行きを見つめている。
50年間地域を見守る
北仲通北地区の再開発は、森ビル(株)や独立行政法人都市再生機構(UR)など6社が事業者となり、進められている。平成26年以降に、高さ200メートルのタワービルをはじめ、オフィス、商業施設、住宅などが一体
となった新しいまちが生まれる予定だ。
問題のケヤキは、この再開発により建て直しが決定している、海岸通団地の一画にある。高さ約20メートル、枝振りの直径も約20メートルの大木で、団地の入居が始まった昭和33年にはすでにあったという。約50年に
わたって、子どもたちの遊び場や住民たちの憩いの場所として親しまれてきた、まさに地域のシンボルといえる存在だ。
保存運動実る
このケヤキが立つ場所を含むかたちで、幅14メートルの区画道路が整備されることが明らかになったのは、一昨年のこと。海岸通団地自治会ではそれ以来、「伐採、移植ではなく、ケヤキを現在の場所で保存してほし
い」と活動を続けてきた。昨年春には、計画の変更を求めて署名運動を実施。約250筆を集めて横浜市や事業者に提出している。
しかし、建築物の配置の関係や、重要なインフラを道路に沿って通すことなどもあり、結局は当初の計画通り、区画道路が整備されることに。ケヤキは別の場所に移植することで、事業者と自治会との間で話し合いが
行われてきた。
その結果、2月末から3月初旬にかけての工事で、ケヤキを現在の場所から数十メートル北にいったん移植。団地の建て直しが終了後、適当な場所を選定し再移植することに決定した。最終的な落ち着き先が決まるの
は、平成23年頃になる予定だ。
事業者のURでは、「木に与えるストレスが少ない」として、「重機工法」という大型のブルドーザーで根や土ごとすくい上げて移植する方法を採用する方向で、最後の調整を行っている。「新しいまちでもこのケヤキをシ
ンボルにしたい」としている。
「今後も見守る」と住民
一方、団地の住民たちは、移植の決定に複雑な思いを隠せない。自治会長の平山礼子さんは「保存が叶わず残念。あれだけの老木が本当に二度もの移植に耐えられるのか、危惧している。5年、10年たってケヤキが
元気だったら、移植は成功だったと言えると思う。今後も見守っていきたい」と話している。