ID :
5559
公開日 :
2007年 12月 3日
タイトル
[ツリーハウス、家政大生が建設 卒論の一環
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/komimi/TKY200711270068.html
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元urltop:
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写真:
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東京家政大学(東京都板橋区)で児童教育を学ぶ4年生4人が、栃木県益子町の小高い丘の上に小さな「家」を建てた。庭に生えた木を柱代わりにしたツリーハウスだ。来年1月に提出する卒業論文の一環で
、自然の中での活動を通した教育を志す4人の思いが込められている。
ツリーハウスづくりを進める東京家政大の4人=栃木県益子町で
ツリーハウスは、同大非常勤講師の佐藤マチ子さん(63)宅の庭に建てられた。直径25センチほどのクヌギの木を柱の一つにして、大人の背丈ほどの高さの土台をつくり、その上に1辺約1.8メートルの角形の家を組
んだ。さながら小さな「秘密基地」のようだ。
つくったのは近藤佳子さん(22)、山口加代さん(22)、吉田彩乃さん(21)、加藤結さん(21)の4人。元々、別々の卒論テーマを考えていたが、互いに課題を話し合ううちに、自然の中での活動を通じた教育に生かせ
るツリーハウスの製作に行き着いた。
4人の卒論を受け持つ非常勤講師の佐藤さんは「子どもの心の病やいじめなどが深刻な今だからこそ、五感を使って自然から生きる力を学ぶことが必要」と賛同し、自宅の庭を提供した。
日曜大工の経験すらない4人の計画に、学内では心配する声が圧倒的だったという。「作れると思っていたのは私たちだけだったかも」と4人は笑う。だが、8月と10月に各1回、佐藤さん宅で2泊3日の合宿をし、自分
たちの力だけで組み立てた。
こだわったのは、佐藤さんの教え。「自然の中に生きる力がある」をモットーに、水や土などの自然素材を使って子どもの目線で遊び、自然を感じることを重視した。
土台を支えるクヌギには、木を傷めないようにくぎは使わず、ゴムを当ててボルトで締めて固定した。枝がツリーハウスにぶつかる部分はツリーハウスのほうを削った。
現在、ツリーハウスの中は空っぽだが「これで完成ではない」と4人。12月上旬には、土台にはしごや柵(さく)を取り付けたり、殺風景な窓や壁を飾りつけたりする作業が待っている。
今後、4人は写真などで記録した製作工程を元に、共同で120ページ程度の卒論をまとめ、1月下旬に提出する。ツリーハウス自体の使い道は未定だが、町役場を通じて広報することも考えているという。
佐藤さんは「町内外の子どもたちに遊びに来て欲しい」。4人は「将来、教え子や自分の子どもたちにも遊ばせたい」と目を輝かせる。