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ID :  5285
公開日 :  2007年 11月 7日
タイトル
[伝統技法で木造和船 気仙船大工が映画用に建造
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新聞名
岩手日報
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元URL.
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20071108_15
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元urltop:
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写真:
 
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気仙地方の船大工が集まる気仙船匠(せんしょう)会(新沼留之進会長)は、昔ながらの木造和船の建造に取り組んでいる。2009年公開予定の映画「カムイ外伝」の制作会社からの依頼で、伝統の技を駆使し た船がずらりと並ぶ。船大工らは「日本一の技術を発揮したい」と張り切っている。

 同会のメンバー5人が10月上旬から、同市大船渡町の公民館の敷地で作業に着手。特産の気仙スギを使い、約8メートルの船体で独特の反りのある和船を丁寧に仕上げている。全部で8隻を完成させ、今月半ばに はロケ地の沖縄県に運ばれるという。

 映画は江戸時代の漁村が舞台。制作会社が全国の船大工を調べ上げ、大型の千石船などの建造経験があり、国内最高の技術を誇る気仙の船大工集団に要請した。

 風や潮に流されにくい安定性が木造船の良さ。しかし、最近は耐久性の高い繊維強化プラスチック(FRP)製が主流となり、かつて100人近い船大工がいた気仙地方でも現在は10人ほどに減少した。木造船をつく る光景は珍しく、船大工らは「職人魂」を呼び起こしながら、黙々と作業に励んでいる。

 同会の村上央さん(65)=陸前高田市広田町=は「全国から選ばれて、船を造ることができてうれしい」と話し、「後継者が出てくれれば最高なんだが」と汗をぬぐいながら、技術の継承を訴える。