[ズラリ!木造和船 映画撮影用に建造 気仙船匠会が依
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頼受け
新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws3006
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元urltop:
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写真:
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大船渡市大船渡町の宮ノ前公民館敷地内で、木造和船の建造が進められている。気仙船匠会メンバーが再来年公開予定の映画「カムイ外伝」制作関係者から依頼を受けて作業しているもので、複数の木造
船を短期間で完成させる光景は市内でも珍しい。十一月にかけて同敷地内に十隻近い木造和船がズラリと並び、撮影地である沖縄に運ばれることになっている。
木造和船の建造を進めているのは気仙船匠会の村上央さん(陸前高田市広田町)、川原勝吉さん(大船渡市大船渡町)、菅原照治さん(陸前高田市高田町)、崎山千春さん(大船渡市赤崎町)、小松新一さん(同市三陸町
)の五人。映画撮影用の建造は同公民館だけでなく、陸前高田市内でも行われている。
建造は、再来年公開予定の映画「カムイ外伝」制作関係者が、大船渡商工会議所を通じて依頼したもの。映画は白土三平氏による同名漫画が原作で、監督は崔洋一氏、脚本は宮藤官九郎氏、主演は松山ケンイチさん
を予定。配給元の松竹によると、来月から撮影が始まる。
映画では漁や海上でのシーンがあるといい、同会に対して伝馬船、漁船など木造船計八隻の新造と、中古船三隻の修理の依頼があった。当初は大船渡市内での撮影も検討されていたが、時期の関係から、沖縄で撮影
が行われるという。
建造は今月九日から始まり、気仙スギを使い一隻ずつ丁寧に仕上げている。すでに完成した三隻は長さ約八メートルほどで、七、八人が乗船できる。一カ月ほどの短期間でこれだけの木造船が造られるのは市内でも
珍しく、地域住民が足を止めて作業を見つめる光景も。
撮影用とはいうものの、本格的な漁業用と変わらずに船体の反り具合を整えるほか、安全確保には細心の注意を払う。完成後は木造船に水漏れがないことも確認し、メンバーも出来栄えには太鼓判を押す。
作業は来週以降も続けられ、来月にはロケ地である沖縄に運ばれるという。今月末にかけては完成した木造船が同公民館にズラリと並ぶ光景が予想される。今回作業した建造船、修理船に加え、同会が建造した『気仙
丸』に備え付けている伝馬船も撮影用に貸し出される。
小松さんは「とくに苦労している部分はないが、運送ま=での締め切りを守ることが一番大変かな。安全は大丈夫」と話す。建造を仲介した大船渡商工会議所では「気仙の船大工が集団で作る技術の高さをPRする良い
機会」と話し、期待を寄せている。
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