ID :
4937
公開日 :
2007年 10月10日
タイトル
[建築確認厳格化が影響、住宅着工減の中小工務店に追加支援
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071009ib25.htm
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元urltop:
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写真:
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国土交通省は9日、建築確認の審査の厳格化で、一時的に新設住宅着工戸数が大幅に減ったことを受け、中小工務店などへの資金繰り支援を柱とする追加対策を発表した。
国交省は、建築確認の新制度が定着すれば着工戸数は元に戻るとみているが、対策を求める業界や自民党などの声に配慮した。(伊藤剛)
6月20日に施行された改正建築基準法は、耐震偽装事件の再発防止を狙ったものだ。事件の背景にずさんな建築確認があったとの反省から、従来は窓口で出来た簡易な修正も原則、再提出を求めるようにした。高さ
20メートルを超える建物の構造計算は二重チェックすることにした。
しかし、改正法の詳細を知らせる解説書の発行が8月上旬になるなど内容の周知徹底が遅れ、業者の間に申請を手控える動きが広がった。そのため、新設住宅着工戸数は7月が前年同月比23・4%減、8月が43・3%
減と2か月連続で大幅に減った。業界には、資金繰りなどを心配する声が出ていた。
国交省が今回まとめた対策は、連鎖倒産などを防ぐため政府系金融機関が中小企業向けに運転資金の融資を行う「セーフティネット貸付」の適用範囲を広げるものだ。着工戸数の急減で資金繰りに困った工務店や設計
事務所、建設資材会社も対象とする。
一般の融資よりも融資枠が増えるほか、無担保や担保不足でも金利を上乗せすれば融資が受けられる。これまで受けた融資については、個別に債務返済の条件緩和にも応じる。
国交省は9月18日に所管の財団法人・建築行政情報センターに電話相談窓口を設けるなど、制度を定着させる取り組みに力を入れてきた。しかし、日本建築士事務所協会連合会や自民党は今月、国交省に新制度の運
用を円滑にするための抜本的な対策を求めていた。
今回の対策について、業界では「建物が完成しないとお金が入らない中小工務店にとっては、一定の評価ができる」(大手住宅メーカー)との声が出ている。
着工戸数についても、国交省は「徐々に回復しつつある」と説明している。ただ、構造計算の二重チェックが必要なマンションなどの大型物件は、着工のペースが回復するまで時間がかかるとの見方もある。