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ID :  4771
公開日 :  2007年 9月20日
タイトル
[立教大の宣教師住宅、解体へ 昭和初期の木造洋館
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200709190187.html
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元urltop:
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写真:
 
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立教大学(東京都豊島区)構内にある昭和初期の洋風木造建築「校宅11・12号館」が、9月中にも解体されることになった。1931年に宣教師の居宅として建てられ、近年は同大事務室として使われてきた。
周辺の住民らからは保存を求める声が出ているが、同大は新しい教室棟を建設予定で、現在地では難しいとしている 解体が決まった「校宅11・12号館」=豊島区西池袋3丁目の立教大学で  この建物はコロニアルリバイバル様式と呼ばれる木造2階建て。左右対称の構造で、二つの住居に分かれている。聖路加国際病院(中央区)チャペルや旧病棟の設計に携わった米国人建築家J・V・Wバーガミニ氏の設 計。キャンパスにはかつて約10棟の校宅があったが、二世帯住宅で残っているのはこの11・12号館だけだ。  米国人宣教師ウィリアムズ主教によって1874年に創設された同大では、宣教師が学内で生活し、学生と交流することを重視していた。米国から派遣された宣教師とその家族が生活したのが、洋風の校宅だった。  中に入ると、歴史を感じさせる造りが随所に残る。メーンの階段とは別に手すりがない階段が設けられ、台所とつながっている。かつて住み込んだメード用だという。窓は上に向いて開き、開閉に合わせておもりが上下 する仕組みだ。  館内にある立教学院史資料センター課長の山中一弘さん(52)は「冬は暖房が利いてくる昼ごろまでコートを脱げないが、建学の精神の象徴のような建物」と話す。  同大は異文化コミュニケーション学部の08年度新設などに伴い、この場所に地上6階、地下1階の教室棟を建てる計画を進めている。校宅は解体の際に建て方や部材などを調査のうえ、復元方法などを検討したいと しているが、場所などは決まっていない。  解体を惜しむ声は少なくない。日本建築学会関東支部は5月、この建物が「近代建築史上高く評価されるもの」として、保存を求める要望書を同大に提出。同学会名誉会員の山口広・日大名誉教授によると、この様式の 木造二世帯住宅は「おそらく国内で現存するものは他にない」という。  50年代、この校宅でバザーに出す菓子を焼いたことがあるという卒業生の女性(69)は、「映画を通してしか知らなかった外国の生活や文化を教えてくれる貴重な場所だった」と話す。  近隣の住民も「立教学院校宅11号館・12号館(旧宣教師館)を愛する会」をつくり、735人分の署名を集めた。発起人の一人、竹内里美さんは「昔から学内を散歩しているが、校宅のあたたかみのある雰囲気が好き。
なくなるのは寂しすぎる」と話している。