ID 15378
登録日
2010年 3月10日
タイトル
木と文化と芸術 継承
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001003110003
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元urltop:
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写真:
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東京都内のギャラリーで「現代木彫根付(ね・つけ)アート展」が「木魂(もっ・こん)」をテーマに13日まで開かれている。根付の伝統を現代に復活させ、再創造していこうと高山市で一昨年から始まった「現代
木彫根付公募展」の入賞作とともに新作を展示。根付の魅力を広く発信したいと企画された。木彫根付だけの作品展は東京ではおそらく初めてという。(中沢一議)
◆「根付」東京で展示
アート展が終わった後、根付だけでなく、木の芸術そのものを継承し、発展させることをめざす財団を関係者が立ち上げる計画もある。
アート展の会場は新宿区市谷田町3丁目の神楽ビル内の特設ギャラリー。JR飯田橋駅と市ケ谷駅の中間で外堀通り沿いにある。
公募展入賞作のほか、同展の大賞受賞作家で高山市在住の高木睦仙(ぼく・せん)さんのユーモアたっぷりの新作も並ぶ。
現代でいうなら携帯ストラップにあたり、印籠(いん・ろう)などの提げ物を着物の帯に引っかけるのに使った根付を、より具体的にわかってもらおうと、高山祭で使われる裃(かみしも)に印籠を提げて展示。伊勢神宮の
式年遷宮で納められた一位の神木の残り木も見せるなど、「木の国」を伝える工夫もある。貴重な一位の木で作った十二支の根付も目玉の一つだ。
会場に立ち寄った武蔵野美術大4年の前田大介さん(24)は作品を見たことはあったが、「根付」という名称は知らなかったという。裃の根付と、自分の携帯に付けてある平城遷都1300年祭のマスコット「せんとくん」の
ストラップを見比べてこう言う。「自分たちと同じだなあと思った。自己主張であり自己表現の形ですよね、きっと」
東京でのアート展は「日本木彫芸術文化財団」(仮称)の設立をめざす準備委員会が企画した。中心になったのは、公募展運営委員会のメンバーでもあり、東京のプランニング会社社長の白井圭子さん(62)。
夫の常雄さんとともに、親交のあった故高円宮殿下を名誉会員とする「芸術文化交流の会」の活動を20年ほど続けてきた。能や前衛バレエの公演などを開く一方で、殿下のコレクションでもあった根付の展示会も開い
てきた。殿下の急逝で活動も途切れたが、高山の根付公募展が再び白井さん夫妻の心を動かした。
新しくできる財団の一番の目的は「日本伝統の木の文化・芸術を受け継ぎ、若い作家、後継者を育てていくこと」だ。財団の事務局は東京に置かれる予定。一方、公募展は「木の国の伝統は大切にしたい」と、これまで通
り高山で開催していく計画だ。
構想では、財団の理事には資金面で支えてくれる人らが就任。財団内に、根付、木版画、一刀彫などの部会を設け、部会長には各分野の作家が就任する予定だ。
根付の文化を将来につなげるため、今年の公募展からは子どもの作品も初めて募集する。その準備の意味もあり、東京・青山にある「こどもの城」では、高山の根付作家を講師に子ども向けの根付教室を開く計画もほ
ぼ固まった。
問い合わせは白井さん(090・3234・0199)へ。
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