ID 15022
登録日
2010年 2月16日
タイトル
無花粉スギ出荷へ 神奈川県が実用化
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010021502000204.html
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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究極の花粉症対策として、神奈川県自然環境保全センター(厚木市)が取り組んでいた「無花粉スギ」が順調に育ち、苗木の出荷を始めることになった。天皇、皇后両陛下が出席され、同県秦野市などで五月
に開かれる全国植樹祭でお披露目される。担当者は「何とか実用化のレベルまできた。種からの無花粉スギの出荷は日本初ではないか」と手応えをつかんでいる。
県の研究機関の同センターは、二〇〇四年に発見した突然変異の無花粉スギの苗木に、花粉が少ない品種を選び交配。この種子を横浜市戸塚区の苗生産農家羽太喜久雄さん(46)らの畑にまき、問題なく種子が採取
できるか研究してきた。
遺伝の法則上、この種子からは無花粉スギが50%生まれるはずだった。種をつくる過程で、想定外の花粉が付着したようで、四十~六十センチ程度に成長した苗のうち、無花粉スギは三分の一程度。実用化に必要な
量は何とか確保できた。
さらに、苗を見ただけでは花粉の有無が分からず、効率的な選別方法を探る必要にも迫られた。
こちらは雄花をペンチでつぶすと、花粉があれば白っぽくなることが判明。一目瞭然(りょうぜん)の選別方法に羽太さんも「これなら選別に時間もかからない」と言う。
確度を高める研究を続ける一方、出荷は県内の種苗業者らでつくる県山林種苗協同組合が担当。
選別した無花粉スギは、植樹祭で多くの人々の手で植えられることになる。
同センターの斎藤央嗣さん(39)は「植樹祭までに出荷を間に合わせるのが目標だった。今後は、より効率的に生産、出荷できるようにしたい」と話している。
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