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ID 14352
登録日   2009年 12月 7日
タイトル
宮崎県綾町の照葉樹林 保護の網外れる植物群落
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2009120702000061.html
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました
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 国内最大の照葉樹林(常緑広葉樹林)が残る宮崎県綾町。落葉広葉樹林である白神山地と並び、日本を代表する森とされながら、国定公園などの保護地域に指定されているのは、全体の三分の二にすぎな い。貴重な植物群落が保護地域になっていないのは、全国的な傾向だ。 (市川真)  地元のガイドボランティア山下勉さん(63)は「若葉に覆われる春は特に美しい。豊かな森を後世に残したい」と保護への思いを語る。
 森は総面積約一万ヘクタール。山下さんと歩くと、ひと抱えもふた抱えもあるようなカシやサワグルミなど、巨樹が次々と現れた。地面には一面のドングリ。生態系の頂点に位置するクマタカが四つがい生息している。
 「この森には、巨大なイスノキが多いんです」と、高さ二十メートルほどの高木を指さした山下さん。「昔の人はそろばんの玉や木刀に加工していましたが、それも少なくなりましたね」。ちょっと残念そうだ。
 山下さんに勧められ、キウイフルーツの原種というつる科植物シマサルナシの実を口に入れると、甘酸っぱい味が口の中に広がった。「シマサルナシがなくなり、サルが里に下りて畑を荒らすようになったんですよ」。一 万ヘクタールのうち八千ヘクタールは、大正時代から高度成長期までに一度は伐採され、住民が森の資源を生活に活用していた。今残されている巨樹は、急斜面にあって切り倒せなかったものらしい。
 かつて西日本を広く覆っていた照葉樹林の多くは伐採された。まとまった面積で残る数少ない森を残すため、地元の市民団体「てるはの森の会」や日本自然保護協会(東京都)、林野庁九州森林管理局などは二〇〇五 年から、「綾の照葉樹林プロジェクト」を開始。在りし日の姿に近づけようと百年計画で森林復元を目指す。
 「てるはの森の会」の石田達也事務局長は「綾の森はいわば巨大な里山。森の恵みを生活に生かすことがなくなり、照葉樹林の価値は見えにくくなった。森林復元は普段の生活スタイルを見直すきっかけになるのでは」 と話す。
◆全国、4割が地域外  野生生物のすみかとなる森林など、全国の貴重な植物群落四千二百二十一カ所のうち、約四割に当たる千七百九十九カ所が、国立公園などの保護地域から外れていることが、日本自然保護協会の調べで分かった。
保護地域を設定する際、生態系より景観保全を重点に置いた結果とみられる。保護地域に含まれない里山も多く、開発で失われる危険と隣り合わせとなっている現実も浮き彫りとなった。
 調査は一九八〇~九〇年代に国がまとめた植物群落レッドデータブックを基に、地理情報システム(GIS)の生育分布地データに、保護地域データを重ね合わせ分析した。保護地域とは、開発行為に一定の規制がある国 立公園や国定公園、自然環境保全地域など。
 植物群落が保護地域になっているカバー率は、都道府県による差が大きく、最も高い三重県は91・6%。最低の京都府はわずか4・4%だった。保護地域は山頂部や海岸の景勝地に集中、私有地は外される傾向にあり、 里山や湿地、川辺もあまり含まれていない。
 来年十月に生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)が開かれる名古屋市内では、里山開発をめぐり業者と行政が対立している。同協会保全研究部の朱宮丈晴さんは「里山はどう保護していくのか、方法論が確立 していない。地域と協働して守る必要があるだろう」と指摘する。
 植物の盗掘を恐れ、これまで未公表となっていた植物群落のデータについて、協会はネット上での公開を検討している。朱宮さんは「貴重な場所であることを知らずに開発してしまう例が後を絶たない。開発業者など への注意を喚起したい」と話す。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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