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ID 13400
登録日  2009年 9月30日 ddd タイトル
タイトル
巨木の森と生きる
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新聞名
新聞名 ナショナルジオグラフィック
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元URL.
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0910/feature01/index.shtml
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました hhh
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■原生林の95%が消滅  セコイアの木には、米国の現代史が刻まれていると言っても過言ではない。19世紀に伐採が本格化するまで、カリフォルニアの先住民たちは、巨木がそそり立つ森で、サケやシカを捕らえ、木の実を集めて食べ、倒木 をくり抜いてカヌーをつくりながら、ひっそりと暮らしていた。
 こうした生活様式が終わりを迎えたのは1848年。メキシコとの戦争に勝った米国がカリフォルニア州を獲得し、そこで金鉱が見つかってからだ。一山当てようと東部から押し寄せた人々は、もっと手っ取り早く稼げる手段 を見つけた。住宅建設が急ピッチで進んでいた当時、木目がまっすぐで腐りにくいセコイア材は、すでに引っ張りだこになっていたのだ。今も続く大量伐採時代の幕開けである。
 1906年のサンフランシスコ地震と、それに伴う火災で、伐採にさらに拍車がかかった。サンフランシスコ市の再建が進むなか、高まる需要に応じようと、パシフィック・ランバー社などの木材会社は増産に励んだ。切り倒 した木の運搬には、牛に代わって、蒸気で動くウインチを導入し、切り出した丸太の輸送には鉄道を使うようになった。
 巨木が次々に切り倒されるのを見かねて、森林保護に立ち上がる人々も出てきた。1902年には、市民による保護活動が実って、ビッグ・ベーズン・レッドウッド州立公園が設置された。1920年代には「レッドウッド保護連 盟」が小さな森を購入して守る運動を始め、同連盟が確保した森林を中心に、公園や保護区が次々にできた。この運動は今も続いている。
 第二次大戦後は住宅ブームが起こり、猛烈な勢いで伐採が進んだ。ブルドーザー、トラック、チェーンソーといった文明の利器を手に入れた伐採業者が、表土が流出しやすい山地のセコイアの森に大挙して押し寄せた 。
 1950年代までには、年間の木材生産は200万立方メートルに達し、70年代半ばまでこの生産量が維持された。一区画の樹木をすべて切り倒す「皆伐」を行い、切り出した木材は大型のトラクターで引きずって運ぶ。山地 には、丸太運搬用の道路や、丸太を引きずった跡が網の目のように張り巡らされたため、表土の流出が進み、大量の土砂が渓流に流れ込んだ。その結果、遡上するサケが減り、他の生き物たちも姿を消し始めた。
 かつて総面積およそ80万ヘクタールもあった原生林のうち、伐採を免れたのはわずか5%。現在そのほとんどが、公園や保護区の中に残っている。
 「古いセコイアを守るために闘った時代は、すでに終わりました。原生林はほとんど残っていませんから」と、フンボルト州立大学の森林学者スティーブ・シレットは話す。「再生し始めた95%の森をよりよく管理する方法 を見つけることが、これからの課題です」  現在、セコイアの森の総面積は65万ヘクタール。うち34%を3社の大手木材会社が保有し、21%をカリフォルニア州と連邦政府、残りを小地主たちが保有している。■“闘争”の90年代  森林破壊の犠牲になったのは、サケやフクロウだけではない。1990年代以降、セコイア材の生産は急減し、生産量はすでに70年代の半分にまで落ち込んでいる。林業で栄えた町に暮らす人々も、その犠牲者だ。
 フェイとホルムはほぼ毎日野宿をして歩き続けたが、2週間おきにコーベルやオーリックといった林業の町に入って、コンピューターとカメラのバッテリーを充電し、携帯用ハードディスクにデータを保存した。それらの町 にはかつては製材所が何カ所もあったが、今では1カ所が細々と操業を続けていればいいほうだ。
 林業の町のなかでも、人口3200人のリオデルは、まだ恵まれている。かつて権勢をきわめた木材会社パシフィック・ランバー(PL)社の本拠地だったからだ。同社は長年、町の労働者の働き口となってきた。
 2008年の夏、連邦破産裁判所で延々と続いていた係争に決着がつき、PL社の売却先がメンドシーノ・レッドウッド社に決まった。アパレルチェーンの「ギャップ」と「バナナ・リパブリック」で財を成した、サンフランシスコの フィッシャー財閥が所有する企業である。同社は、PL社の事業を引き継ぐために、新会社フンボルト・レッドウッドを設立した。
 リオデルの町には、祖父の代からPL社に雇われてきたという一家もある。その一員であるクリス・ホールは、15歳のときから木を切り、丸太を運び出してきたが、今は発電所で働いている。「ハーウィッツの野郎がいなく なって、みんな清々しているよ」とホールは話す。
 ハーウィッツとは、テキサス州ヒューストンに本拠を置くマクサーム社のCEO(最高経営責任者)、チャールズ・ハーウィッツのことである。セコイアの森で森林管理の話をすれば、必ずと言っていいほど出てくる名前だ。
 1985年、PL社はハーウィッツに敵対的な買収を仕掛けられ、経営権を握られた。それまでは、マーフィー一族の下で堅実経営に徹し、森林を長く維持できるよう、伐採も計画的に行っていた。「あの頃は、従業員思いの 会社だった」とホールは言う。
 買収により、ハーウィッツは当時私有地として残っていたセコイアの原生林の7割を手に入れた。従業員の前に初めて姿を見せたとき、彼が言った自己流の“黄金律”を、町の人々はいまだに覚えている。「黄金、つまり 金のある人間が支配する」
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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