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ID 13293
登録日  2009年 9月18日
タイトル
「樹木発電」で得た電力で無線センサーを駆動、テストに取り組む研究者た
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新聞名
EE Times
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元URL.
http://www.eetimes.jp/news/3322
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
 
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 実は樹木は電源として利用できる。2008年に、米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の研究グループは、樹木と土壌のpH(水素イオン濃度指数)に差があることに着目した「樹木発電」の理論を発表している。MITの教授であるAndreas Mershin氏は、樹木が土壌とのpHの差を一定に保つ機能を備えることに着目し、樹木からエネルギ回収回路を駆動できる程度の電力を得るデモンストレーションを公開した。
 しかし、この仕組みでは電圧が低すぎて既存の2次電池に充電することもできない。そこで、米University of Washington(Seattle)の研究グループは樹木が発生する極めて小さい電力を回収する、微細な昇圧回路のデモを披露した。
 同大学工学部の教授を務めるBabak Parviz氏は、「この昇圧回路は、寸法だけでなく、消費する電力もナノスケールだ」と述べる。同氏は、「生物学と電気工学の接点」を研究する専門家だ。
 同氏によれば、「樹木から得た力だけでは、通常の電子機器を駆動できない」という。研究グループによると、樹木が出力する電圧は、20mV程度ととても小さい。同グループが試作した回路は、時間はかかるものの電 力を蓄積でき、1.1Vに昇圧して出力できるという。無線センサーを駆動するには十分だ。この微小な電力回収装置は、動作時の消費電力がわずか10nWである。しかも、動作中の大半の時間をスリープ・モードで費やす。
 さらに同グループは、極めて低い電力で駆動する専用のクロック回路も開発した。スリープ・モード時の消費電力が1nWだという。また、わずか350mVで駆動できる。
 同グループは今回、電力回収装置を開発する際に、樹木が出力する「パルス」を監視して、樹木の健康状態も測定しようと試みた。Parviz氏は、「人が病院に行くと、医者は最初に脈拍を診る。人間の体内と同様に、樹木 の内部にも信号のようなものが流れている。ただし、その信号のペースは人間の脈拍よりも遅い」と述べる。
 冒頭で紹介したMIT教授であるMershin氏は、米Voltree Power社という会社を設立した。同社は最近、米国農務省森林局との契約を獲得し、樹木発電による無線メッシュ・センサー・ネットワークを提供している。Voltree Power社のCEO(最高経営責任者)を務めるStella Karavas氏は、「当社は、森林局専用の製品として、既存の測候所に組み込める装置を開発した」と述べている。
 森林局は、全米で2万8000カ所の測候所を稼動させている。各測候所では、現地の気候データを人工衛星に送信する。Voltree Power社のエネルギ回収装置は、周辺の森林の情報を収集し、測候所に無線で伝送する。この装置は、測候所の観測領域を森林の上層部にまで拡大した。第1回目となる測候所のアップグレードが2010年第1四半期に予 定されていることから、2009年秋には実地的な試験が行われる予定だ。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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