ID 12669
登録日 2009年 7月28日
タイトル
明日が世界の終わりだとしても、今日リンゴの木を植えます
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/showbiz/column/harayuko/TKY200907260118.html
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元urltop:
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写真:
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「もし、明日が世界の終わりだとしても、私は今日リンゴの木を植えます」。ドラマ「赤鼻のセンセイ」の中で印象に残った言葉。宗教改革をしたマルティン・ルターの言葉です。
大泉洋さん演じる院内学級の新米教師は、まっすぐで一生懸命な人物。先生となったからには、生徒たちと心を通い合わして、みんなに明るく元気になってもらいたいと頑張っているのですが、素直な性格があだとな
ってか、KY(空気読めない)な発言をしてしまったり、失敗の連続で上司に叱(しか)られてばかり。みんなを和ませようと付けた赤鼻も子供たちをしらけさせてしまうし、頑張れば頑張るほど空回りしてしまいます。だけど
、それがなんだか憎めないのです。
赤鼻のセンセイの失敗は、その人の為(ため)に良かれと思って頑張った結果の失敗。私にもそんな経験があります。善意でやった事が逆に迷惑をかける結果になってしまったり相手を傷つけたり。その度に落ち込み
ますが、落ち込むからこそ、同じ失敗をしないようにと学習するし、少しずつ成長していけるはず……なぁんて思いつつ、気づけばもう五十路(笑)。でも、常々人生は終わる瞬間まで勉強だと思っています。ですから、「リ
ンゴの木を植えます」の言葉には、大いにうなずきました。失敗しても、世界が終わるとしても、毎日前を向いてきちんと生きられたらと思います。
赤鼻のセンセイの先輩教師を演じる小林聡美さんが主演の映画「かもめ食堂」も素敵(すてき)な映画でした。小林さん演じる女性がたった一人、遠い国フィンランドで、食堂を始めます。来る日も来る日もお客さんは来
ないけど、彼女は毎日食材の準備をし、お皿をみがき、時間になれば店を閉め、帰りにプールで泳ぐ。毎日きちんと食べ、健康にも気をつけ、真心を込めてお店を整えるのです。物語の最後、お店の中はお客さんでいっ
ぱいになりました。傷ついたり落ち込んだりもあるでしょうけど、とにかく毎日をきちんと生きる。とっても共感したし、力をもらえた大好きな作品です。その小林聡美さんが演じる先輩教師。失敗ばかりの赤鼻のセンセイ
を叱りつつも、ちゃんと陰でフォローし、応援しています。
実は今回主題歌を歌わせて頂いたご縁で、大泉洋さんとお話しする機会がありました。大泉さんの温かいお人柄は、赤鼻のセンセイに似ているような。でも大泉さん「僕はあんなKYな発言しませんよ。KYな人ランキ
ングで1位になっちゃったらどうしよう!」と心配されていました(笑)。
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