ID 12484
登録日 2009年 7月 6日
タイトル
梅の木:戦争の悲劇、伝え続けて 艦砲射撃で被弾--釜石・観音寺
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20090707ddlk03040126000c.html
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元urltop:
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写真:
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◇今年も見事に実を付け
太平洋戦争末期の1945年7月14日に釜石市を襲った艦砲射撃で、幹の根元を砲弾の破片でえぐり取られた梅の木が、同市大町3の観音寺で今年も見事な実を付けた。戦時中の悲劇を目撃した梅の木は癒えること
のない傷口をさらし、艦砲体験を伝え続けている。
梅の木は観音寺の境内にある。背丈が約3・5メートル。ピンポン球大の青々とした実が10個は付いた。しかし、直径約15センチの幹の根元が長さ約40センチにわたり半分にえぐり取られ、一部は腐りかけている。
元々は寺から西へ1・6キロ離れた同市中妻町1の故板沢富蔵さん方の庭にあった。釜石では7月14日と8月9日に艦砲射撃を受け、約1000人が死亡した。梅の木は、1回目の艦砲射撃で周辺に砲弾3発が落ちた時
に被弾したという。60年代末の区画整理で伐採されそうになり、忍びないと富蔵さんが、本家の観音寺に移し替えたという。
観音寺前住職の妻、板沢達子さん(83)は枝の重さで倒れないようにと支柱を施し、梅雨時前には剪定(せんてい)も欠かさないできた。
花を咲かせ、実を付ける度、生命力に驚かされる。板沢さんは「よくぞ生き延びてくれました。けなげな姿には励まされます」といたわるように幹に手をやった
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