ID 1117
登録日 2006年 5月31日
タイトル
森林を守る「企業の森事業」
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/DAILY/20060603/20060603_004.html
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元urltop:
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写真:
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森林環境を守ろうと、県が取り組んでいる「企業の森事業」に、これまで民間企業や労働組合など20団体が参画し、うち8団体が田辺市内で植樹している。都会からの多くの訪問客は観光面で地元を喜ばせて
いるが「落葉樹だけでなく、植物相を考えて常緑樹も一緒に植えてほしい」と植樹に対する注文も住民から聞かれる。
県は緑の雇用事業の受け皿となり、過疎地と都市との交流に役立つとして、4年前から企業や労働組合などに参加協力を呼び掛けてきた。参加企業は、環境問題に積極的に取り組む企業というイメージをPRできる利点
がある。これまでに計約112ヘクタールに約11万6000本の苗木が植えられた。
田辺市森林局の重根誠治局長は「企業のレクリエーションの一環として、山に親しみ、関心を持ってもらっている」と話す。田辺市での植樹は、本宮町と中辺路町に集中。世界遺産の熊野古道が近くにあり、本宮町の温
泉に行きやすいということで参画団体に好まれているという。ほとんどが1泊2日の宿泊付きで、観光面での波及効果をみせている。緑の雇用事業の受け皿にもなる。
植樹されたのは全般的にトチやコナラ、ヤマザクラ、ヤマモミジ、クヌギなど落葉樹が多い。同市中辺路町の男性(67)は「針葉樹を植え過ぎた反動で広葉樹を植えているようだが、広葉樹は落葉樹だけでなく常緑樹も
植えてほしい」と話す。
4月1日に本宮町で植樹したサントリーなどは、地元の意見を聞いてイチイガシ、ヤマモモなどの常緑樹も選んだ。県森林整備課は「樹種は企業にまかせている。山主と森林組合とで話し合って決めていると思うが、結
果として落葉樹が多くなっている」と話している。
田辺市内にある8団体の企業の森の名称は「関労ふれあいの森」「大阪ガスの森」「JTの森中辺路」「住友金属和歌山の森」「サントリー天然水の森湯の峰」「積水ハウスの森」「ダイキン工業労働組合の森」「高野熊野世
界遺産連絡会」。
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