ID 1113
登録日 2006年 5月31日
タイトル
ツリーイングで自然体感、感動を共有
.
新聞名
東奥日報
.
元URL.
http://www.toonippo.co.jp/netcross/topics/topics2006/0602.html
.
元urltop:
.
写真:
.
高い木の枝にぶら下げたロープを巧みに操って空中を登っていく。ロープと体は登山用の金具で結ばれており、独特の結び目のおかげでロープから手を離しても落下することはない。北米大陸で樹木の保護
や管理に当たる、アーボリスト(樹芸家)と呼ばれる職人たちが編み出した技だ。この技を使って木に親しみ、環境を大切にする心をはぐくむ「ツリーイング」を体験する人が県内で増えてきた。クラブのホームページも
開設され「あなたの世界を広げませんか」といざなっている。
ツリーイングとは、「木(Tree=ツリー)」に「登る(Climbing=クライミング)」「学ぶ(Learning=ラーンニング)」「共有する(Sharing=シェアリング)」という三つの「ing(イング)」を掛けた和製英語だ。
県内をはじめ秋田、岩手の北東北三県でこのツリーイングを広めているのがツリー・マスター・クライミング・アカデミー北東北支部「ツリーイングクラブ青い森」。「一人でも多くの人に体験してもらいたい。きっと世界
が広がりますから」と語るのは、代表を務める青森大学社会学部非常勤講師の平井憲治さん(66)だ。
「木の上から見た森の景色は最高」「鳥の声が下の方から聞こえた」「葉っぱってこんなに光るんだ」「アリがこんな木の高いところまで登ってる」-。ツリーイングを体験した人たちの感想だ。
昨年一月に誕生したツリーイングクラブ青い森は、一年間に開いた体験会や講習会の参加者が約六百人に上り、ロープを操って自由に木に登れる「ツリーイングクライマー」の資格を持つ人が七十人、体験会を開い
て登り方を指導できる「インストラクター」も三人いる。
「下は四歳の幼児から、六十歳を超えた高齢者まで、男女の別なくだれでも体験できるレクリエーションです。もちろん特別な体力や腕力は要りません」と平井さん。娘の自閉症に悩んでいた母親が、木に登り大声を上げ
て笑う姿を見て涙ぐむ。親子で参加し、一緒に汗を流して木に登り、対等な立場で感想を語り合う。体験会では、さまざまな人間模様が繰り広げられるという。
平井さんは「木から下りた後で幹にほおずりする人や、体験会の翌日から街で見かける木が気になってしかたがないという人もいます。同じ木に登ったことで共感し合い、環境に対する心構えも共有する。人と人、人と
自然の新たなコミュニケーションが生まれるのです」と訴える。
ツリーイングクラブ青い森のホームページは、ブログとフォトアルバムのコーナー、会員への連絡板のほか年間の活動計画一覧表も掲載しており、体験会や講習会の日程を知ることができる。アドレスはhttp://www.ac
tv.ne.jp/~ken3/
..