ID 1001
登録日 2006年 5月16日
タイトル
奥入瀬渓流危険木新たに3本 累計100本に
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新聞名
デーリー東北新聞
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元URL.
http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2006/05/17/new06051710.htm
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元urltop:
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写真:
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青森県は十六日、十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流遊歩道の危険木調査を、三日間の日程で環境省や十和田市などと合同で始めた。二〇〇三年八月に同歩道近くで起きた落枝事故直後に緊急実施して
以来、四回目。枯れるなどした危険木は、過去の処理数と、同日の調査で伐採が予定される分を合わせると、立ち木が百本、枝が五百十五本に上ることが分かった。自然保護団体では「立ち枯れた木は動物の営巣や餌
取りに欠かせず、安易な伐採は生態系を壊しかねない」と危機感を強めている。
初日の危険木調査は、石ケ戸―焼山間の約五キロで行い、樹木医ら五団体十二人が参加した。
歩道の上に覆いかぶさるなどして伐採が必要とされた立ち木が三本、枝が四十四本、腐食した空洞があり継続的な監視が必要という木は十本あった。
危険と判断した立ち木について県は、〇三年度五十七本、〇四年度十九本、〇五年度二十一本を伐採、切った枝は各年度で百本から二百本近くに上る。
「この三年で危険木は、だいぶ少なくなった。一日でも早く同歩道を安全、安心な場所にしたい」(小笠原裕県観光企画課長)と話す。
これに対して「八甲田・十和田を愛する会」の久末正明代表は、「危険木を切るなというつもりはない。だが、立ち枯れ木は生態系で重要な役割を担っている。特にクマゲラなどのキツツキ類にとって、積雪期の餌の確
保になくてはならない存在だ」と懸念する。
独立行政法人・森林総合研究所東北支所(盛岡市)によると、立ち枯れした木はコウモリやフクロウ、ムササビ、リスなど木の洞をすみかとする動物にとっても、重要な生活の場だという。
久末さんは「利用を前提に危険を取り除こうとすれば木を切るしかないが、利用を制限することで危険は回避できる」として、利用と保護のバランスが取れた公園内のゾーニング(地域区分)の必要性を訴える。
同調査は前年度まで県単独で実施。伐採の許可手続きを円滑に進めようと、今回初めて関係機関と合同で行ったが、落枝事故裁判で責任を問われて係争中の林野庁は、参加を見送った
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