ID 11258
登録日 2009年 4月 7日
タイトル
花の宴 「地域の宝」に関心持とう
.
新聞名
山陽新聞
.
元URL.
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2009/04/08/2009040809315881011.html
.
元urltop:
-リンク切れ-
.
写真:
.
岡山県内のほとんどの地域でソメイヨシノが満開になっている。岡山市の後楽園東側旭川河川敷で開かれていたさくらカーニバルは終了したが、桜を守る募金活動に今年も浄財が寄せられ、恒例のボランテ
ィア清掃も行われた。にぎやかな花見の一方で忘れてならないのは、こうした地道な地域活動だ。
県内屈指の名所となった後楽園東側の旭川堤防に桜並木が誕生したのは、一九五七年四月九日。水害に備えた堤防整備の記念に町内会が発案し、延長一・二キロの堤防上にソメイヨシノの苗木約百五十本を植えた。
桜を守り、育てたのは住民だった。苗木に水や肥料をやり、虫を駆除した。二〇〇七年には老いた樹木を治療するため樹木医がボランティアで立ち上がり、地元財界や住民による治療と募金の組織もできた。
県北の新庄村では、村のシンボル・がいせん桜を守るため九一年から募金を行っている。今年は県林業試験場で育てたクローン苗を後継樹として初めて植樹した。また県南の児島湖周辺では、新たな名所づくりにと数
千本規模の桜を植え、育てる計画が住民参加で進んでいる。
樹木は長い年月をかけてゆっくりと育つ。その成長に寄り添い、老いた木に治療やケアを施すことは、次の世代や地域の未来を考えることでもあるだろう。多くの人々にやすらぎと癒やしの恩恵をもたらす樹木を住民、
市民が守り、育てる活動をさらに深めていきたい。
行政も無関心ではいられまい。例えば旭川堤防のように、河川区域内にある桜堤は寿命がくれば根も枯れて土中にすき間ができ、治水上の懸念が生じる。桜の未来を地域とともに協議する場も必要だろう。みんなが楽
しむ「地域の宝」を官民で支える仕組みが必要だ。
..