1. HOME
  2. 木の情報発信基地Top
  3. 8.樹木
  4. 樹木・植樹・木のニュースアーカイブ TOP
ID 11082
登録日 2009年 3月31日
タイトル
桜」が結ぶ地域の輪 東京都国立市
.
新聞名
ヨミウリホームガイド
.
元URL.
http://home.yomiuri.co.jp/town/20090331hg02.htm
.
元urltop:
.
写真:
 
.
東京都のほぼ中心に位置する国立市は、人口約7万4,000人(平成21年3月現在)、総面積8.15平方キロメートルで、市としては都内2番目、全国でも5番目に小さい。南部には多摩川が流れ、市内には湧水が流 れるほど自然も豊かだ。中高一貫校や大学などが多いことから都内有数の学園都市としても知られ、JR国立駅を中心に放射状に伸びる商店街は、学生や地元住民で賑わう。
 駅前大学通りの桜並木は、都内でも有数の桜の名所。だが最近、樹木の老齢化や環境悪化などにより、この桜が危機に瀕しているという。そこで、地域の有志が立ち上がり、ボランティア組織「くにたち桜守(さくらもり)」 を結成。桜の保護をきっかけに、地域住民の輪が広がっている。
国立駅前の大学通り。約400本の桜とイチョウが交互に植えられ、春には桜、秋には紅葉が楽しめる ムクドリが葉を食べてしまわないように寒冷紗(かんれいしゃ)をかける桜守のメンバー 市内の小学生が描いた立て看板 緑地に人が入って根が傷つかないようアブラナを植えている もみがらなどを発酵させて作ったEM肥料。独特の酸っぱい匂いがする 桜守は50代から60代の男性メンバーを中心に、現在約200名が登録 治療中の桜。放っておくと倒れてしまうほど弱っている桜も少なくない 「くにたち桜守」の代表、大谷和彦さん 桜をきっかけに発足した市民ボランティア「くにたち桜守」  「くにたち桜守」が結成されたのは、今から9年前(2000年)。痛んだ木の傷口に防腐剤を塗ったり、肥料の投与、樹勢調査や緑地の整備などを行う市民ボランティア組織だ。現在約200名が登録しており、月に1回のペー スで連絡会と作業を行っている。代表を務める大谷和彦さんに、発足の経緯を聞いた。
 「16年ほど前、市内を歩いていて、ふと桜の木がかなり傷んでいることに気がついたんです。また、毎年に行われる『国立さくらまつり』の実行委員会に参画してパネル展『くにたち桜物語・桜を植えた男たち』を開催し たときに、国立の桜の由来を知りました。そこで、この桜を守ることに賛同する市民と一緒に発足したのが、『くにたち桜守』です」  大谷さんによると、大学通りには現在、約400本の桜があるが、ほとんどが樹齢70年以上のソメイヨシノの古木。街路樹として植えられているため、人間の手で傷つけられたり、土が踏み固められたりと、環境としては決 して良いとは言えない。そこで、「桜守」では、人が木に直接触れたり緑地に入らないよう、桜の周りにムラサキハナナやアブラナなどを植えるなどの保護活動を行っている。
小学校の体験学習教材としても活用  「桜守」のもう1つの重要な活動は、地域の子どもたちの体験学習だ。現在、市内6つの小学校と1つの高校で、桜守の活動が体験学習として組み込まれている。授業は各学期1回ずつ行われ、子どもたち自身で肥料を与 えながら「なぜ桜の木が病気になるのか」などを考え話しあう。時には、大谷さんが講師として学校に招かれて、子どもたちに国立の桜の話をすることもあるという。「桜の活動をきっかけに、子どもたちが地域のことを もっと知り、もっと地域のことを好きになってほしい」というのが大谷さんの願いだ。
 桜守メンバーの一人、川島操さん(67)も時折、市内の小学校で桜の特長や肥料づくりなどを教えている。「小学校での活動を通じて地域の子どもと交流する機会が生まれ、道端で出会っても自然とあいさつや会話を交 わすようになりました。そんなときは、桜守をやっていてよかったなと思っています」「よく見ると、ソメイヨシノだけでなく、ヤマザクラやオオシマザクラなどいろんな種類の桜があります。桜の種類によって花の色や、花の 付きかたの違いも楽しめますよ」と嬉しそうに語る。
自然との触れ合いから生まれた地域コミュニティ  国立市の南部には、多摩川が流れ、通称「ハケ」と呼ばれる立川崖線からは豊富な湧水が流れ出ている。市内には桜並木やイチョウ並木があり、武蔵野の自然がまだ残っている貴重な地域だ。だが、都会で生まれた子 どもたちにとって、この自然は必ずしも身近とは言い難いようだ。
 桜守の活動の1つ、肥料を与える作業のときにも子どもたちは最初必ず嫌がるという。発酵した有機肥料独特の酸っぱい匂いがするからだ。そこで「これが桜にとって一番のごちそうなんだよ」と説明すると、喜んで肥 料を撒くようになるという。また、ミミズを触ることができない子どもに、「ミミズが土を食べて糞をするおかげで土にすき間ができて、桜が元気になる」と説明すると、ミミズを触れるようにもなるという。
 「理屈で理解するのではなく、肥料の臭さやミミズの触り心地といった感覚を通じて、いろんな生き物がつながりあって桜がきれいな花を咲かせるのだということを理解してもらう」(前出、大谷さん)ことの意義を、桜守 は子どもたちに伝えている。
 桜守の活動は、昨年度、延べ2800人以上の子どもたちが体験しているという。発足当初は小学生だった子どもが大学生となり、今でも市内で桜守のスタッフとあいさつや会話を交わす。なかには「大学の授業で桜守の 活動を取り扱ってほしい」と講師を頼まれることもあるという。
 前田源次郎さん(35)は6年ほど前から桜守に参加している。「地域を通じて自然に触れ合ったり、地域のいろんな人と出会えることにやりがいを感じる」(前田さん)。まさに、桜をきっかけに世代を超えた地域コミュニテ ィが生まれ始めている。
 「桜守の活動を一緒にしてきた子どもたちの1%でも、地域の自然や国立市のことに関心を持ち、何かを始めてくれたらうれしい」と大谷さんは語る。(アイーダ・野澤猛) ◆ ◆ ◆ 【コラム】桜守の活動を知る「桜コンシェルジェ展」  桜守の活動を写真やパネルで紹介。子供たちが描いたポスターは、「立ち入り禁止」という立札よりもよっぽど効果的。実際、地域商店街の協力もあり、お花見の後に出るゴミの量が昨年は10分の1に減った。
..

このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

中川木材産業のビジネスPRその17   「diyで作るキットデッキ ラクーナの実例」 商品ページはコチラです。 画像クリックでそれぞれ体験談に。(公開2018.8.1 更新2019年11月12日 )
kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ kitDeck-ラクーナ